うんちと食の関係~軟便と冷え~

前回の記事では、便秘の原因とケアについてご紹介しました。
便秘がちなお子さんがいる一方、軟便のお子さんも同じくらいの割合でいるようです。そこで今回は、軟便をケアする方法について詳しくお伝えしていきます。

軟便は食べすぎや消化不良などが原因

HAPIKU読者アンケートによると、22%のお子さんが柔らかいうんち・下痢気味で、食べたものがそのまま出ているという心配も寄せられました。

 

軟便や下痢の場合は、胃腸炎以外では食べすぎや消化不良が原因だったり、乳製品、冷たいもの、甘いもの、油っこいものが過多になっていたりすることもあります。幼児期は消化器官が未熟なため、ウイルスだけでなく、食べ物の影響も受けやすい時期にあります。

摂りすぎたかな?と心当たりのあるものは、少し控えて様子を見てみましょう。

顔からわかる健康チェック法

東洋医学の観察法の1つに「望診(ぼうしん)」というものがあります。顔色や吹き出物の位置などで、どの臓器にどんな負担がかかっているかを知るものです。中国が発祥で何千年という歴史を持ち、日本でも漢方を処方する際などに利用したりします。

お医者様だけが使う特別な観察法ではなく、西洋医学が主流になる前は、お母さんやおばあさんが子どもや孫の顔色などをみて、それに合う民間療法的なケアを自宅でしてきました。

 

胃腸の不調を観察する

食べ物の入り口であるくちびるには、胃腸の不調があらわれます。くちびるの乾燥や、吹き出物、口内炎などサインがあらわれているときは、消化によいものを摂るようにしましょう。また、胃を癒す味覚の食材は、さつまいも、かぼちゃ、キャベツなど自然の甘みをもつ野菜になります。胃腸薬に使われる「キャベジン」はキャベツに含まれる成分でも知られています。

 

内臓の冷えを観察する

体の表面が温かくても、内臓は意外と冷えていることがあります。腸の冷えは、おでこの生え際の髪が立っているかをみます。人は冬場など寒いときに鳥肌や体毛が立ってきますが、同じことが大腸をあらわす前髪の生え際にあらわれてきます。

 

幼児になってくると、大人のように舌をみてもよいでしょう。

舌の中央や奥の白っぽい色は、腹部や下腹部の冷えをあらわします。冷えているときは、おなかを腹巻などで温めたり、体を温める働きのある根菜類や、温かい食べ物や飲み物、料理にねぎやしょうがを少し入れたりするのもおすすめです。逆に、バナナをはじめとする南国系のフルーツ類、冷たい食べ物や飲み物は身体を冷やすため避けた方がよいでしょう。

腸内環境を良くする食材

oriental004_img01便秘でも軟便でも、日頃から腸内環境を整える
ことが大切です。

発酵食品が、腸内環境によいことは知られていますが、ヨーグルト以外にも納豆、梅干し、みそ、塩麹、ぬか漬けなど日本人に馴染みのある伝統的な発酵食品も腸内環境に働いてくれます。

また、納豆、長いもやおくらなどのねばねば食材、オリゴ糖を含む玉ねぎ、整腸作用のあるりんごもおすすめです。

子どもと楽しく便の観察を

子どもがおむつの時期は、便の状態をみることも多かったと思いますが、成長するにつれて見なくなることが多いようです。幼児期は一緒にトイレに行く機会も多いので、親子で一緒にうんちの観察をしながら食べ物との関係をみていただけたらと思います。