Q

初めて見る食べ物をなかなか食べてくれません

娘は2歳2ヵ月で、食べる量は並だと思います。アレルギーはなく、にんじんが大好きで、なるべく野菜を多く使って料理するようにしています。肉より魚が好きですが、煮魚など味の濃い料理は好みません。
困っていることは、何でも食べるというわけではなく初めて見る物食べる物は絶対に食べない、ハンバーグも家で作ると食べるのに外食した際によくあるお子様ランチのハンバーグは食べない、ということです。気分の問題?とも思うのですが、初めての物はなかなか食べてくれません。外食もいつも確実に食べてくれるうどんを選択してしまいます。
他にも美味しいものがたくさんあるから食べて欲しいと思うし、同じ月齢くらいの子どもはもっといろいろ食べているのに、とも思うし…。どうしたらいいでしょうか?
(2歳2ヵ月・女児)

A

繰り返し慣れさせていくこと、安心感を与えることが恐怖心や不安を和らげるポイント

お子さんのために創意工夫なさって料理をされているんですね。家という安心した場所で食べることや、お母さんの作った安心できる料理がお子さんにとって当たり前になっていると、それ以外の環境で食事をすることに警戒心を抱くお子さんもいます。
外食は、家の中とは違って近くに知らない人がたくさんいる、話し声やお店の人の挨拶で常にざわざわしている、他の子どもの様子が気になるなど、お子さんにとってはゆっくりと落ち着いて食べられる環境ではない要素がたくさんありますよね。ましてや、いつもと違う食器で、見たことのない盛り付けで、大きさ、柔らかさ、食べ物の色、匂い、どれをとってもいつも家で食べているものとは全然違うとしたら、「これは大丈夫なのかな?」「どんなものかわからないから怖いな…」などと、感覚が敏感なお子さんほど不安に感じるものです
こうしたことを改善するためには、繰り返し慣れさせていくこと、周りが安心感を与えてあげることがポイントとなります。
外食をする際には、あちこち違う飲食店に行くのではなくできるだけ雰囲気が落ち着いていて混んでいないお店や時間帯を選んで通うようにしたり、「食べてくれるかな?」と不安な顔で接するのでではなく「これ美味しいよ」とお子さんの食事を一緒に味見してみたり、できるだけご家庭に近い状況で接してあげることをおすすめします。場合によっては、いつも使っている食器を持参したり、できるだけ小さく取り分けたものをひと口だけすすめてみるのもいいでしょう。また、お子さんが嫌がったらすんなり引き下がりましょう!食事の時間をできるだけ楽しく過ごすことも、食べることを嫌いにさせないためにも大切です。

なお、外食のお子様ランチはサイズこそお子様向けなのですが、どうしても味が濃かったり(大人用と同じくらいのこともあります)、お子さんにとって好みの柔らかさでないことが多いので、あまり頑張って食べさせる必要はありません。食べてくれなかったとしても、いつも食べ慣れているおにぎりや果物などを用意しておいて、帰宅後やおやつのタイミングで補えるようにしてあげましょう。

 

また、初めて見るものはなかなか食べてくれないというお悩みですが、ご自宅ではいつもなるべく同じ食材を使い、同じ調理法で仕上げ、同じような盛り付けにしているということでしょうか?そこまでしなければ食べてくれないというのであれば、お子さんは非常にこだわりが強いように見受けられます。その場合は無理に違う環境で食べさせようとすること自体に強いストレスを感じ、食欲がわかなくなっている可能性も考えられます。

そこまで極端な場合でなければ、一番落ち着けるであろうご家庭で、食べ慣れている料理と、同じ料理だけどいつもと違う盛り付け(トッピングをしたり、食器や料理の形を変えるなど)のものを用意して、「どちらも同じ美味しい〇〇だよ。見た目は違うけど味はどうかな?食べてみて教えてね」と声をかけてみてください。最初から違う見た目の料理に手を伸ばしてはくれないかもしれませんが、1日1回くらいずつ、日数をかけて繰り返しこの方法で食事を提供していくと、お子さんがいつもよりお腹が空いていたり、今日は食べてみようかなと気が向いたタイミングで食べてくれるかもしれません。そして、たまたまひと口食べてみたら「見た目が違うものも同じ味がするんだ。違っても美味しいんだ。」ということにお子さん自身で気付けるようになるのではないでしょうか?

一度そのことに気付かせることができれば、見た目などによる違いへの恐怖心が少しずつ和らいでいき、もっと他の料理も食べてみようという気持ちを育てていくことにつながりますよ。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。