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ばっかり食べ、ムラ食べはこの頃のお悩みのひとつ。いまはこだわりが強くても、少しずつ食べられる物が増えてくるのじゃ。
好きなものへのこだわりや、食べムラが出るころ。「好きなものしか食べない!」というお悩み、2歳児さんの保護者の方からとってもよく聞くのじゃ。保育園でも給食のときに、すべてのお皿をまんべんなく、バランスよく食べる子より、好きなものだけずーっと食べていて、保育士さんに促されてしぶしぶ・・・ということは、とってもよくある光景なのじゃ。「うちの子、順調に成長しているわねー!」と思って大丈夫。わしは5年ほど前に、フィンランドの保育園に研修に行ったのじゃが、そこでとってもびっくりすることがあった。フィンランドでは、主食やプラスアルファのおかず(パンやチーズなど)を家からランチボックスに入れて持ってくる保育園があったり(朝ごはんを持ってくる園も)、じゃがいも(マッシュポテト)やスープ、サラダのようなおかずをバイキング形式で、子ども達がお皿に入れて食べる園もある。ある2~3歳ぐらいの男の子は、じゃがいもだけを山盛りにして、他の野菜は全く食べようとしていなかったので、担任の先生に「他のおかずは食べるように言わないんですか?」と聞いたら「あの子はじゃがいもが大好きなのよ。大きくなったら食べるようになるからいいのよ」と笑って答えてくれた。わしは目からウロコじゃった・・・日本の保育園やご家庭ではついつい、バランスよく食べていないと心配になって食べさせようとしてしまうものじゃが、国や文化が違うと、考え方も違うのだなあ。と・・・国によってはお米を食べない国もある。お隣の韓国では小さいときからキムチを食べるそうじゃ。それから、ふりかけで「釣る」と考えるのではなく、ふりかけで食べてくれるなら「まあ、いいか」と気持ちを楽にしてみたらどうじゃろう?!いまは、カルシウムや栄養素が入っていふりかけも売っているし、手作りでふりかけをつくるのもおすすめじゃよ。
2歳児さんは、自我がどんどん芽生える時期。嫌なものは「いや!」それがわかりはじめたということは、人間が生きていく上で必要な、選んだり決めたり自分の意見を言ったりする力が芽生えてきたということ。そしてこの時期は、もちろん、栄養のバランスよく食べることも大事じゃが、それよりも、お腹が空いたら食べる、という習慣、食事の時間を楽しみに待つ気持ちをはぐくむことが大切じゃ。食卓に苦手な食べ物も並べながらも、手を伸ばさなくてもOK.大人がおいしそうに食べたり、アレンジや盛り付けを楽しむのもよいじゃろう。
また、食事以外のときに、ままごと遊びやお買い物のお手伝い、絵本などで、いろいろな食べ物に触れ、「あ!これはウサギさんの好きなニンジンだねー!」「さっきお買い物したトマトだね!」と親しみを持たせたり、野菜の皮むきなどの簡単なお手伝いから食べ物への興味を持つこともよい方法じゃ。いまは食べられなくても、小学生になるころまでには、少しずつ食べ物の好みも変わり、自分から食べられる日が来るのじゃ。もちろん食べられたらたくさん褒めてあげてほしいのじゃ!
(グローバルキッズ保育園園長・保育士)