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歯の生え始めの食材の切り方は?

やっと歯が4本生えました。煮てやわらかくなるものは大きめに切って手づかみ、スプーンにも挑戦していますが…きのこ等繊維質なもの、葉物、どれだけ煮ても歯茎でつぶすには少し固いものなどはみじん切りで良いのでしょうか。噛む力がつかないのではないかと心配です。
進め方のポイント、注意点など教えてください。
(1歳パクパク期・男児)

A

食べにくい食材はみじん切りでもOK

月齢に関係なく、奥歯(臼歯:きゅうし)の生える状況によって、食事の進め方を決めていくことが大切です。お子さんに4本の歯が生えたということですが、おそらく上下の前歯かと思われます。

お子さんは食事の時、食事を口に運んでから左右に口が動いているでしょうか?そうであれば、現段階では離乳食後期食のやわらかさが適切なので、歯茎で潰せるくらい(バナナくらいのやわらかさ)を目安に食事を用意してあげましょう。そうでない場合は、左右の口の動きが出てくるまでもう少し離乳食中期食の舌で潰せる固さ(絹豆腐くらい)を目安にしてあげましょう。

 

奥歯が生えてくるようになった場合でも、噛むことが苦手であったり飲み込むことがうまくできないお子さんの場合は、2歳を過ぎても離乳食完了食で給食を提供することもあります。(幼児食よりも細かく刻んでいます。)あまり急いでお子さんの口に合っていない食事を与えすぎてしまうと、噛まない、丸呑みする、固いものを嫌う、偏食になるなどのトラブルを引き起こす心配があるからです。

 

噛む力がつくかどうかという点を心配されていますが、噛む力は固いものを与えればつくというものではありません。食事を介助するときに大人が隣りで噛む様子を見せてお手本となったり、「かみかみ」「あむあむ」「もぐもぐ」などの擬音語を使って、お子さんが口に料理を運んだときに声がけをしてあげることで、習慣となって次第に噛むようになっていくのです。

そして、噛む習慣というのは大人になってから改めて習得するのが難しく、幼児期のうちに身につけておくことで、食べ過ぎを防いだり、唾液がしっかりと分泌され口腔環境を良好に保つことができるといわれています。

 

食べさせるのに苦労されている食材については、調理のポイントをまとめたので参考にしてみてくださいね。

 

【きのこ】

歯の生え方に関わらず、苦手な食材としてよく挙がります。噛み切りにくいという理由が多いのですが、その場合はみじん切りにしてとろみを付けてあげると食べやすくなりますよ。もしくは、傘の部分(きのこの上側)を中心にお子さんに取り分け、軸の部分は少なめにしてあげましょう。

 

【ごぼうなどの繊維が多いもの】

最初から細かく切らず、乱切り(食材の表面積が大きくなるように斜め不揃いに切り分ける)にして加熱⇒その後、繊維を断ち切るように包丁を入れて細かくします。そうすることで、最初から細かく切るよりもやわらかく仕上げられます。

 

【葉物】

繊維を断つように葉の筋に対して直角に切りましょう。茎の部分は大人が食べ、お子さんには葉先のやわらかい部分を取り分けてあげてください。(みじん切りであれば、茎の部分を少なめに混ぜてみてもいいですね)

 

他にも圧力鍋や炊飯器を使って加熱したり、シリコンスチーマーやラップで包んで電子レンジで加熱したり、切って一度凍らせたものを煮るなどの方法もあるようです。食材によって効果的なものもあれば、葉物などは色が変わってしまうこともあるので、好みの仕上がりになるよういくつか試してみることをおすすめします。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。