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今食べているものが何かを教えてあげて、野菜に接する機会を増やしてあげましょう
何とか野菜を食べてもらえるよう工夫を凝らしているのですね。野菜が全く食べられないわけではないのであまり心配する必要はないと思いますが、出されたものは何でも食べられる子になってほしいというお気持ちもわかります。
味噌汁やカレーであればよく食べるということですが、それらは野菜をたくさん使えて、しかもじっくりと煮込んで柔らかく食べやすくなっていますし、何より調味料の味や風味がしっかりと付いているので野菜のクセなどをあまり感じなくて済みますよね。だから、好きなお子さんは多いです。
それに対して、温野菜だけというのは、野菜の香り・味・食感・見た目が勝負の料理となるため、提供方法・調理法・食材選びなどに工夫が必要かもしれませんね。
① お子さんの歯の生え具合や飲み込むまでに噛む回数によっては、幼児食であっても潰しやすいよう柔らくしてあげたり、口に入れやすく噛みやすい大きさにしてあげる必要があります。
また、手づかみができるようスティック状にしたり、型抜きをしたり、何種類かの野菜を組み合わせて好きな動物やキャラクターに見立てた盛り付けにしてあげると、興味を持って手を伸ばしてくれる可能性が上がりますよ。
② 大人が美味しいと感じる香りや食感であっても、それらを敏感に感じて嫌がるお子さんもいます。そういう場合は、オーブンを使って高温でじっくりと加熱したり、少量の油で炒めた後にさらにゆでることなどで食べやすくすることができます。
③ 野菜の品種や栽培方法で選んでみたり、鮮度が良く旬の野菜を揃えている直売所で買うことで、辛味やえぐ味が和らいだり瑞々しく甘味が強いので野菜特有のクセが和らいだものに出会えるかもしれません。
(例)
みおぎピーマン:苦味が少なく、生でも柔らかく種ごと食べられる品種。
雪下○○(にんじん、キャベツ等):甘味が強くて食べやすい栽培方法。
こういったひとつひとつのことを見直すことは食べやすくする上で重要なことですが、他にも大切なポイントがあります。それは、今食べているものが何かを教えてあげることです。
お子さんがよく食べてくれる料理はご家庭でも食卓にあがる頻度が高くなりますが、たくさんの食材が混ざった料理(味噌汁、カレー以外にも丼ものや麺類など)は味でごまかされてしまい何を食べているのかがわからなってしまいます。そういった料理を食べさせる場合には、そこには“何が入っているのか”“どういう味・香り・食感の野菜が入っているのか”をしっかりと伝えてあげましょう。
これまで野菜を細かく切って料理に混ぜていた場合は、それよりも少しだけ大きいサイズにして温野菜として出すといいでしょう。(いきなり大きいと同じものとして見てくれない可能性があります)そうすれば「あの時に食べた野菜と同じだ」「食べたことがあるから食べられる」ということで、お子さんの苦手意識を減らすことができますよ。
できるならば口で伝えるだけでなく実際に調理前の野菜を見せてあげたり、買い物をしながら一緒に食べる野菜を選んだり、簡単な調理作業を手伝ってもらったり(野菜を洗う、鍋に入れるなど)することで、より一層食卓に並ぶものに関心を持たせることができます。
ぜひ、野菜に接する機会をたくさん作ってあげてくださいね。
※今回は【管理栄養士】が回答いたしました。