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現時点で体調に異常がなければ、気にしなくて大丈夫です
健康に気を配って、いろいろな考え方をとり入れているようですね。健康に良いといわれる食材でもメリットとデメリットは必ずあります。 ここではそんな情報との上手な付き合い方についてご紹介します。
まず、食物アレルギーを気にして特定の食材を与えないというのは、最近の考え方ではあまり取り入れられていません。 むしろ、成長段階(離乳食の段階)に応じて適切に与え始めることで、食物アレルギーを減らせるのではないかと言われています。
お子さんが食材を口にした時に何らかの不調が表れていなければ、親の判断で与えないようにするのは避けた方が良いと思います。食物アレルギーが疑われる場合は、基本的に小児科の医師にご相談ください。 1歳未満ですと血液検査をしてもはっきりとアレルギー源を特定できない可能性がありますが、その場合であっても症状に応じた離乳食のアドバイスをもらえるはずです。 また、食事制限が必要であれば医師の指示に従いましょう。
小麦に含まれるグルテンや牛乳のデメリットが指摘されているのは事実です。 しかし、それは体質に合わない(遺伝的疾患、乳糖不耐症、過敏症など)場合に問題となるのであって、むやみに避けることは食事のバランスを欠くことにもなりかねません。(なお、健康的な人がこれらの食品や食材を実践するメリットの科学的根拠は証明されていません。)
そして、グルテンを避けるとなると小麦・大麦・ライ麦だけでなく、加工食品や菓子なども大部分は口にできなくなると思います。 そうなると、外出や旅行先などでは常に安心できるものを持ち歩いたり、グルテンフリーのお店を確保したりする必要が生じてきますよね。 食物アレルギーがあるお子さんでしたらそれは当たり前の生活ですが、そうではないのにそこまで気を配って食事を制限する必要性はないように感じます。お子さんはこれからいろいろな食や食材への興味が増していきますから、味覚の幅を広げるためにも今のうちから多くの食材を口にして味覚を育てていくことを優先してみたらいかがでしょうか。
また、牛乳を使用すると栄養面はもちろん、風味が加わり味にコクが増したり、まろやかにしてくれる効果があります。 試しに普段のみそ汁やスープに少量加えてみると、その違いが実感できるのでないでしょうか。 そして最も成長が盛んな乳幼児期において、カルシウムの不足は大きな問題となります。カルシウムは 歯・骨の主要な材料として大量に必要となりますし、その際に不足することで丈夫な体作りに悪影響が出てしまうからです。(歯の発育不全、骨折のしやすさなど)
私が実際に保育園で献立を作成して感じたのは、牛乳や乳製品を含まないと必要なカルシウム量を確保することがとても難しいということでした。 それでも牛乳や乳製品ばかりに頼らず、【大豆商品/小魚/緑黄色野菜/海藻/ごま】などを使って、体へのカルシウムの吸収率はたとえ低くてもさまざまな食材を積極的に取り入れるように工夫をしていました。
ご家庭でも特定の食材を避けるのではなく、使用頻度や1度に使用する量を加減するといった工夫をしながらとり入れてみるのはいかがでしょうか。 可能であれば、食材の組み合わせを出来るだけ多く口に出来る機会を作ってあげてほしと願っています。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。