夏が近づいてくると見かけるようになる「とうもろこし」。甘味があって好きなお子さんも多いのではないでしょうか。
そんなとうもろこしについて、どんな特徴があるのか詳しくご紹介していきます。お子さん向けの与え方や、食べやすいレシピなどにも触れていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
とうもろこしの旬はいつ?
とうもろこしは中南米原産のイネ科の植物で、国内では6月から8月にかけてとくに収穫量が多くなります。
日本で一般的に食べられている品種は、甘味のある「スイートコーン」です。北海道での生産量が一番多く、7月以降に見かけることが多くなります。千葉県や茨城県でも盛んに作られていて、それらは5~6月頃の早い時期に出回ることが多くなっています。
とうもろこしはいつから子どもに与えていい?
とうもろこしは、離乳食初期(モグモグ期)から与えることができる食材です。ただし、離乳食後期(カミカミ期)までは薄皮を取り除いてあげると◎。ザルなどを使ってこすと、薄皮と分けることができますよ。
粒のままだとツルっと飲み込んでしまいやすいので、離乳食完了期(パクパク期)までは刻んだり潰して与えてくださいね。
まれに、そのまま消化されきれずに便に出てしまうこともありますが、与え過ぎでなければ心配しなくても大丈夫です。消化機能が追いついてくれば、少しづつ減っていくでしょう。
とうもろこしにはどんな栄養と効能がある?
とうもろこしは脂質が少なく、炭水化物とたんぱく質が含まれています。そのほかに、葉酸、ナイアシン、食物繊維、ビタミンB1などがとくに多く、これらは成長を促したりエネルギーを作り出すのに役立ちます。また、お腹の調子を整えて便通の改善にも効果的です。とくにビタミンB1は、疲労回復や夏バテ防止にもおすすめ!
とうもろこしの栄養は芯に近い部分に多く含まれています。そのため、包丁などで粒をそぎ落すと、粒の下の方が芯に残ってしまい、食べることができなくなってしまうことに…。
そこで、生のとうもろこしの場合には、粒のつけ根から外しやすいように割箸の先を斜めに削ったものを滑らせるようにするのがおすすめ。これは、バターナイフの先でも代用できます。とうもろこしの状態によっては、一列だけ包丁で取り外し、あとは指で外す方法も使えます。
とうもろこしの食物繊維、ミネラル、ビタミンを効率よく取りたいのであれば、ぜひこの方法を試してみてくださいね!
とうもろこしの選び方ガイド
とうもろこしは、とくに鮮度が落ちやすい野菜です。鮮度が落ちてしまうと甘味が減ってしまうので気をつけましょう。できるだけ鮮度がよい状態で出荷できるように、とうもろこし農家さんは薄暗い早朝から収穫しているそうですよ。
鮮度とともに、しっかりと成長しているかどうかも美味しさのポイントです!お店で選ぶときには、次の点をチェックして選んでみましょう。
とうもろこしの選び方のポイント
① 皮の色が濃い
② 先端のひげの色が茶色い(もしくは褐色)
③ ずっしりと重みがある
④ すき間なく実が詰まっている
⑤ 実の大きさがほぼ同じ
とうもろこしの皮やひげが乾いていないもの、重みがあるものは、鮮度がよいといえます。
先端のひげ部分は、めしべの残りです。たくさんついているほど粒の数が多く、茶色く枯れていると十分に育った証拠といわれています。
皮がむかれていない方が鮮度を保ちやすいのですが、お店によってはむいた状態で並べられていることも。その場合は、実の並び方や大きさを参考にして、成長のよいものを選ぶのがおすすめです。
皮つきの場合は、根元をやさしく触ると粒の有無が確認できます。できるだけ端まで粒感があるものを選んでみてくださいね!
とうもろこしの保存方法
とうもろこしは冷蔵が基本です。常温に長く置いてしまうと急激に鮮度が落ちてしまい、おいしさがダウン。一番おいしさをキープする方法は、持ち帰ったらすぐに調理すること!
加熱後に冷蔵・冷凍
加熱したあとは、味が落ちにくくなります。よく冷めてから、ラップにぴったりと包んで冷蔵庫や冷凍庫へ入れておきましょう。
(加熱後に冷蔵:5日以内/加熱後に冷凍:1か月以内に食べ切るのがおすすめ)
生のまま冷蔵
すぐに調理できないときには、必ず冷蔵や冷凍で保存するようにしましょう。
冷蔵の場合は、袋から取り出して皮つきのままキッチンペーパーや新聞紙などに包み、ポリ袋に入れてひげが上になるように立たせて冷蔵します。
(生のまま冷蔵:3日以内に食べ切るのがおすすめ)
生のまま冷凍
生のまま冷凍保存も可能です。その場合は、皮つきのままサランラップなどに包み、保存袋に密封して冷凍庫へ入れてください。皮やひげが汚れていれば、取り外しておきましょう。
調理するときは、凍ったまま加熱OK。ラップに包んだ状態で電子レンジで加熱したり、ラップを取り外して茹でたり焼くようにしてみてくださいね。
なお、ひと手間かかりますが、丸ごとの状態ではなく、芯から粒だけを取り外して冷凍すると使いやすさUP。冷凍用の保存袋に粒を平らに広げて密封して冷凍すれば、冷凍のまま使いたい量だけ取り出して加熱調理に使うことができますよ。
(生のまま冷凍:1か月を目安に食べ切るのがおすすめ)
幼児食におすすめのとうもろこしレシピ
鮮やかな黄色が料理の彩りとしても活躍するとうもろこし。缶詰や冷凍品などの加工品もありますが、旬の時期には、ぜひ生のおいしさが味わえるメニューに挑戦してみてはいかがでしょうか?
とうもろこしの甘味やうま味がとくに味わえるメニューは、次の3つです。
とうもろこしのうま味&甘味ぎっしり♪
とうもろこしごはん
バター醤油の香りでおなかが鳴る♪
焼きとうもろこし
ほんのりとした塩加減が甘味を一層引き立ててくれるので、お子さんも喜んで食べてくれるはず!
とうもろこしが苦手な子どもへの対策
とうもろこしは甘味があるので、好きなお子さんが多い食材といえます。ただし、粒感が苦手なお子さんにとっては食べにくいことも……。
そんな場合は、ポタージュスープのようにミキサーにかけて滑らかにしたり、それをザルなどに通して薄皮を取り除いてあげると◎。
また、缶詰などの場合は、生のとうもろこしと違って風味が劣ることもあるため、味に敏感なお子さんにはできるだけ鮮度のよいとうもろこしを選んで調理してあげてください。
最近では、甘味が強いものや反対にあっさりとしたもの、歯にはさまりにくい品種もあるので、そういったものを探すのもいいですね。生のままでもやわらかくて食べやすい品種もあるので、見つけたらぜひ一緒に味わってみてはいかがでしょうか?
エネルギーの補給源となる食材なので、食事としてだけではなく、おやつとしてもおすすめですよ!
とうもろこしの食育ばなし
とうもろこしは世界三大穀物の一つ
とうもろこしは、米、小麦とともに世界三大穀物の一つです。地域によっては、とうもろこしを主食としているところもあります。
とくに、原産地とされているメキシコやその近隣国では、とうもろこしの粉を使ってうすく焼いた「トルティーヤ」がよく食べられていますよ。
また、アフリカの東部や南部では、とうもろこしの粉にお湯を加えて練ったものが食べられているのだとか。
とうもろこしの色
国内では黄色いとうもろこしを多く見かけますが、品種によって色はさまざま。赤、紫、黒、オレンジなどのほか、いくつかの色が入り混じったレインボーコーンと呼ばれるものもあるのです!これらは甘みのあるスイートコーンではなく、ポップコーン用や、動物の飼料用の品種の場合もあります。
とうもろこしの芯はだしになる
とうもろこしの芯は硬くて食用に向きませんが、粒を外したあとに「だし」として活用することもできます。
たとえば、味噌汁などのスープを作るときに、お湯で10~20分ほど芯を茹でるとやさしい甘味とうま味があるだしが取れるのです。
また、ごはんを炊くときに芯と酒を入れて炊飯すると、同じくやさしい味わいのあるごはんに仕上がるので、お試しあれ!その際は芯1本につき、酒大さじ1杯を加えてください。酒の分だけ、炊飯用の水は減らしてくださいね。
ご紹介したように、とうもろこしの特徴を知っておけば、よりおいしくからだによい取り入れ方をすることができますよ。
ぜひ、今日からとうもろこしを最大限活用してみてくださいね!