「土をたべる」<br><font>とある日の午前05時07分</font>

里山に今日も日が昇り、野鳥たちのさえずる声を聴いています。

私の生活はすべてが緩やかに繋がっていて、坦々(たんたん)と過ぎています。

つい耽々(たんたん)と生きてしまいがちな現代社会において、

本来の坦々とした日常は実に贅沢であり、失いがちな文化でもあります。

 

早朝鳥たちがさえずり始める時間帯に軒先の草花に触れ、土の具合を確認します。

一番良い確認の仕方は食してみることです。

土が美味しいと美味しい植物が育ちます。

自身の体調によっても感じ方が変わります。

美味しいはずの土が美味しくないと感じたら、黄色信号かもしれません。

 

土とはなんなのでしょう。

 

土は微生物の塊です。

沢山の命の集合体です。

彼らのおかげで植物たちは健やかに育ちます。

 

人間も微生物の集合体です。

どこが本体だかわからないほど切り離せない沢山の命の集合体です。

だから良質な土を取り入れることが大切だと感じているのです。

 

美味しい土で育った人参は

皮をむかずにいただきたいものです。

土の香りのするワインとあわせていただくと気持ちが満ち足りるのはそういう理由なのかもしれません。

 

日々土の香りや味を確認します。

それは私にとって坦々とした日常のはじまりです。

 

仕事とはなんだろうと考えます。

遊びとは余暇とはプライベートとは。

本当はすべてが緩やかにつながっていて切り離せない「日常」なのだと感じます。

早朝の私の仕事は新聞を読むことではなく、メールのチェックでもなく、土を身体に取り入れるところからはじまります。

 

そんな本日の一品

「土付き人参と牛蒡の炊き合わせ 山椒の香りをよせて」

 

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