泣いている原因は何?
母乳は、赤ちゃんの要求に応じて欲しがるだけ与える自律授乳が一般的です。しかし、理由を問わず泣けばすぐに与えることは、自律授乳と区別して考える必要があります。赤ちゃんはまだ言葉で自分の要求を伝えることができませんので、様々な要求を泣いて訴えることが多いです。そこで、泣いているのが、空腹なのか、それ以外の原因かを見極めることが重要です。
空腹・満腹のリズムの確立が大切
空腹以外が原因で泣いた場合にも授乳をしていると、空腹・満腹のリズムが確立しづらく、離乳食が順調に進まない場合があるので、空腹を訴えて泣いた場合に授乳します。また、空腹以外で泣いている時に乳汁を与えると、乳児は要求に的確に応えてもらえず、その経験が続くと、将来、愛着形成に問題が生じる可能性も否定できません。
なお、自律授乳であっても、子どもが健康で、母乳分泌が十分であれば授乳のリズムは6~8週間くらいでほぼ定まってきます。
ミルクの赤ちゃんはどうするの?
母乳栄養に準じて、ミルクも赤ちゃんの授乳のリズムに沿って、食欲に応じて欲しがるだけ飲ませる自律授乳が基本になります。1日の哺乳量は165~180ml/体重kgといわれていますが、授乳量は個人差が大きいので、授乳量が目安量に達していなくても、乳児の機嫌がよく元気で、体重が成長曲線のカーブに沿って増加しているならば心配はいらないことがほとんどです。
育児用ミルクの胃内停滞時間は母乳の約90分に比べて、約180分と長いです。そこで、平均の授乳間隔は約3時間が目安になります。
『飲ませたいだけ飲ませる』ことは慎んで
赤ちゃんにミルクを飲ませるときに、例えば200mlのミルクを作って飲ませていたら、160mlで飲むのをやめたとします。すると「あともう少し(40ml)だから」と『飲みたいだけ飲ませる』のではなくて、『飲ませたいだけ飲ませてしまう』ことがあります。しかし、赤ちゃんが一旦160mlでやめたら、それがその時点でのミルクの適量であると判断して、将来の肥満にもつながりかねない『飲ませたいだけ飲ませる』ことは慎むことが大切です。