「百町森」は子どもの本とおもちゃの専門店です。
「子どもは遊ぶことで成長する」という考えのもと、キャラクターものでも「知育」でもない、ロングセラーの絵本や木のおもちゃを中心に販売。子どもの成長を助け、遊びに集中できる落ち着いた環境づくりのお手伝いもしています。
また、たくさんの絵本やおもちゃのオリジナルパンフレットを作っていて、子育てや保育の文化・情報を発信しています。
<子どもの本とおもちゃ 百町森> http://www.hyakuchomori.co.jp/
『ぽんちんぱん』
ページを開くと食パンの写真が登場。「ぱんぱん しょくぱん ぽんちんぱん」という言葉が添えられています。次のページは食パンがちぎられていて、楽しい笑顔に変わっています。そこには「ちぎちぎ ぱっぱで ぽんちんぱん」という言葉が。あんパン、ロールパン、ドーナッツ……ページをめくるたびに、子どもたちの大好きなパンが次々、登場します。
ここがおすすめ!
「ぱんぱん しょくぱん ぽんちんぱん」、「ちぎちぎ ぱっぱで ぽんちんぱん」……まるで歌っているようにリズミカルな言葉がくり返され、次々とあらわれるお馴染みのパンたちの表情に思わず笑顔になってしまいます。
私は月に一度、保育園に読み聞かせに行っているのですが、子どもたちの前で2カ月続けて読んだところ、二度目にはみんなが一緒に声を出して唱和してくれました。
「食べる」ということは生活そのもの。生活の中にある潤いです。小さな子どもにとっても食べものはいちばん身近な題材ですから、食べることに関心を持ちはじめた幼い子どもたちにぴったりの一冊です。親子でコミュニケーションをとりながら素直に楽しめます。
対象年齢:赤ちゃん~幼児
作:柿木原 政広
出版社:福音館書店
初版:2014年4月
本体価格:800円+税
▼ 詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN483408092.html
『じっちょりんのあるくみち』
作者の独特な発想で草花の世界に誘われてしまうファンタジックな絵本です。
見つけるのも大変なほど小さな生き物のじっちょりんは、花びらや葉っぱを食べた後、種だけは食べないでとっておきます。そして、コンクリートの隙間や電信柱の根元など、人間の気づかないところで、せっせと種を植えて歩きます。
ここがおすすめ!
あんなところやこんなところに咲いている雑草を楽しめるのは、じっちょりんのおかげだったのね、そんな考えが浮かんで、あたたかい気持ちになります。さっそく子どもたちと、それらを見つけにお出かけしたくなります。
雑草と呼ばれるような小さく可憐な草花を愛でる気持ちが芽生え、春の訪れがいっそう楽しみになります。
対象年齢:3歳~
作:かとう あじゅ
出版社:文渓堂
初版:2011年5月
本体価格:1,300円+税
▼ 詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN489423728.html
『キンダーメモリー』
「メモリー」とは神経衰弱ゲームのこと。「キンダーメモリー」は数あるメモリーの中でも定番中の定番、ロングセラーです。こういう絵合わせは真剣勝負をしても大人が負けてしまうことがあるので、子どもは大好きです。
昨今、子どもたちの間では、おもちゃといえばコンピューターゲームという時代!?しかし、そんなコンピューターゲームで育った若者世代の間でも、意外なことにアナログゲーム(カードゲームやボードゲームなど)がトレンドになっています。あまりにもデジタル化が進み過ぎて、アナログが見直されてきたのでしょうか。
こうしたアナログのゲームは一般的に言語の発達やコミュニケーション能力、人間関係を作る力を育むと言われています。たとえば「ルールを守らなければ成り立たない」、「守るからこそ楽しい」といった経験を経て、「ルールを守る」ということを覚えていきます。
また、カードやコマを持ってプレイしますから、手や指先を使うことが多く、器用さも育まれます。さらに、アナログゲームは、小学校からの学習につながる要素を持っています。
今回ご紹介する「キンダーメモリー」のような絵合わせゲームは、左右の認知などを促し、文字を覚えることにつながると言われています。これは、大人が教えるわけではなく、子どもが自然に、遊びながら能力を身につけていくのです。
認知したり覚えたりすることもさることながら、子どもはこうしたゲーム(や遊び)を通して、人間として生きていくための土台を作っているということ。これは、大人がいつもおさえておかなければならない大切なことだと思います。
ここがおすすめ!
- トランプでやる神経衰弱とは違って、素敵な絵が描かれているので、子どもも覚えやすく盛り上がります。
- 似たような図柄もわざと混ぜてあるので、違いを見分ける目も養われます。
- 年少(3~4歳)の頃は、同じ絵の一方だけ裏返しておき、表になっているカードから9枚ほどを自分の前に出して、それを裏向きの中から持ってくるという遊び(これはロットという遊び)にすると、運でも勝てるやさしいゲームになります。
- お話をつくる遊びなど、いろいろな遊び方ができます。
対象年齢:3歳~
人数:2~8人
絵:Hermann Wernhard(33種×2枚)
寸法:5cm角(カード)、18×11×3.5cm(箱)
内容:33組66枚入り
メーカー:ラベンスバーガー社(ドイツ)
価格:1,500円+税
▼ 詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/toy/p/NI5380300.html
キュボロ
キュボロは、溝が掘られた積み木を並べたり積んだりしてビー玉が転がる道をつくっていく、別名「玉の道積み木」と呼ばれているおもちゃの一つです。
最近、現役最年長棋士、加藤一二三(ひふみ)九段(76歳)をデビュー戦でやぶった、史上最年少中学生棋士、藤井聡太四段(14歳)のことが話題になりました。 14歳 2カ月での勝利は最年少記録。両者は62歳差で、日本将棋連盟によると公式戦で最も年齢の離れた対戦だったということです。
対局後に放映されたテレビ番組で、その中学生棋士が子どものころ遊んでいたおもちゃとして「キュボロ」という積み木が紹介されました。これは、「玉の道積み木」と呼ばれているものの中で、最も奥の深いもの。番組内で藤井四段のお母さんも話していましたが、「考えなければできないパズルのような積み木」なのです。
でも、パズルは1つの答えしかないのに対して、キュボロの答えはいくつもあります。自分で納得がいけばいいのです。だから、単純に作ることもできるし、逆に、考える子どもはすごく高度なものを作ります。
ここがおすすめ!
キュボロの最大の特徴は、一辺5cmの立方体のいくつかにはトンネルが掘られているものがあり、そこにもビー玉を通すことができるところです。
5cm角の立方体に刻まれた溝と穴を組み合わせて玉の道を作っていくうちに、一つの立方体を2回(上の溝と中のトンネル)通過させるワザができたときは、大変な満足感が得られます。
穴に消えた玉が、トンネルを通って意外な場所から飛び出してくる面白さはキュボロならでは!その分、パズルを解くような思考も必要です。
シンプルで美しい立方体と、パズル的+からくり的な面白さに、大人も夢中になってしまいます。
「キュボロ」の基本セットは、「ベーシス」と「スタンダード」の2種類あります。
対象年齢:5歳~大人
素材:木(ブナ)、ビー玉(φ17mm)
制作:キュボロ社 (スイス)
キュボロ/スタンダード
内容:50パーツ、ビー玉5個
寸法:47.5×33×6cm(箱)
価格:32,000円+税
キュボロ/ベーシス
内容:30パーツ、ビー玉5個
寸法:32.5×27.5×6cm(箱)
価格:24,000円+税
▼ 詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/toy/c/kugelbahn/cuboro/
3~4歳の小さい子どもには「キュボロ」の弟分、「クゴリーノ」がおすすめ!
「クゴリーノ」は、キュボロ同様、精度の高い玉の道を作る「玉の道積み木」の一つです。子どもがまだ3~4歳だから、将来的にキュボロで遊ばせたい、という方には基尺が共通のクゴリーノがおすすめです。キュボロと混ぜて遊べる、キュボロの弟分です。渦を巻いたり、スラロームする道、長い道、立方体の半分の二つでトンネルができるパーツなども入っているので、キュボロの補充にもおすすめです。5~6歳でもこちらから始めて、充分使いこなしてからキュボロに行くのもいいかもしれません。