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小学校入学までに9割は治るとされています。今は、生活リズムや食べ物などを整えてあげることも大切。
卵が食べられないとなると、日常の料理や外食、市販品など、とても気を遣わなければならず、大変ですよね。「治る治る」とは言われていますが、他のアレルゲンに比べると鶏卵アレルギーの完治には時間がかかりやすく、わずかですが大人になってもアレルギーが継続するケースもあります。まだまだアレルギーの仕組みは完全に解明されているわけではないので、今はお医者さんの指示に従って、治療を進めていくのが良いと思います。
「検査の数値が高い=必ず症状が出る」とは言い切れず、あくまでも数値は参考とされています。今まで原因食品を食べても無症状だったのに、たまたま体調が悪い時に食べたらアレルギーに似た症状が見られたことから、実はアレルギーの起こりやすい状態にあった、ということも考えられます。
また、抗体の数値は除去食にしているからと言って、必ず下がるわけではないようです。血液検査が陽性であることだけを根拠に、食物アレルギーの診断が行われることはないと思います。定期的に検査で抗体の数値を確認しながら、しばらく除去をすすめられることもあれば、お子さんの状態を見ながら少量ずつ与えていく経口負荷試験を取り入れていくことも考えられます。
なお、食物アレルギーの発症要因の一つに、皮膚の状態が関係していると言われています。アトピー性皮膚炎という診断名がつかない場合であっても、皮膚のバリア機能が低下していて、そこからアレルゲンとなる刺激が作用し、食物アレルギーに関係していることもあるようです。最近では、皮膚の状態を整えてからでないとアレルギー治療の結果が出にくいとも言われているため、まずはお子さんの体の洗い方や保湿を見直すのも良いかもしれませんね。(対処済みであれば継続してくださいね)
また、できるだけ皮膚の健康状態を改善・維持できるよう、食べ物についてもお話しておきたいと思います。皮膚は、たんぱく質から作られています。食べ物から取り入れたたんぱく質は、消化・吸収されてから、新しく作り変えられて私たちの体を作ってくれるのですが、その時に必要となるのがビタミンB群です。
ビタミンB群は、加工・精製された食品には少なく(分解されてしまうものが多い)、私たちの腸内で作り出せる種類もあるため、腸内環境がととのっていないと不足することもあるのです。
<ビタミンB群が多く含まれる食材>
- 豚肉・うなぎ・レバー・納豆・緑黄色野菜・かつお・まぐろ
<腸内環境を整えてくれる食材>
- 納豆、ヨーグルト、漬物、みそなどの発酵食品
- 野菜、豆類、いも類、海藻、きのこなどの食物繊維の多いもの
- 納豆・きな粉・たまねぎ・ ごぼう・とうもろこしなどのオリゴ糖の多いもの
こういった食材と、十分な種類や量のたんぱく質を摂ることに加え、
- 食事中はよく噛んでから飲み込む
- 十分な睡眠時間を確保する
- 排便習慣なども意識してみる
といったことを日ごろから気をつけてみると良いのではないでしょうか。
よく噛むことや睡眠時間を増やすことも消化や吸収に関わりますし、腸内環境をととのえることで、免疫力にも効果的であると言われています。お子さんの毎日の便の量や質などにも意識を向け、少しずつ体の機能が整うように、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
今回は、【管理栄養士】が回答しました。