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通常の使い方であれば心配ありません。昆布や干し椎茸のだしを利用する方法もありますよ。
先日、だしとなる食材が使いやすくパックになっている「だしパック」を使った保育園の給食で、ヒスタミン中毒という食中毒が発生した、というニュースがありました。ご家庭でだしパックを使っている方は、不安を感じたと思います。
そもそもヒスタミンというのは、ヒスチジンというアミノ酸が分解されるてできる成分で、私たちの体内にも存在しています。
また、ヒスチジンは
- かつお節、にぼし
- 赤身魚(まぐろ、かつお、かじき、ぶりなど)
- 青背魚(さば、さんま、いわし、あじなど)
- 肉
- 鶏卵
- 発酵食品(チーズ、ヨーグルト、キムチ、みそ、しょうゆ、魚醤、納豆など)
といった、日常的に口にする幅広い食材にも多く含まれており、保存温度や加工方法などが適切でないと、ヒスチジンがヒスタミンへ変わり、人体にアレルギーに似た症状を引き起こすほど多くのヒスタミンが含まれるようになると考えられています。(アレルギーではなく、ヒスタミン中毒という食中毒になります)
今回のケースでは、だしパックそのものからは中毒を起こすほどの数値は検出されなかった、ということですが、通常の10分ほど煮出して使う使用方法にもかかわらず、4倍以上も長時間加熱したことが問題とされています。 一般家庭でも使用方法を守って使えば、あまり心配ないと言えそうです。
ヒスタミン中毒の原因としては、ヒスタミンという成分以外にも、同じようにアミノ酸が分解されて生じる成分がいくつかあり、それによってヒスタミンの吸収が促されたり、分解が抑えられることも関係していると言われています。 また、アルコール(料理酒、本みりんなど)や酸(酢、レモンなど)と一緒に摂ることでもヒスタミンの吸収に影響がある可能性が指摘されています。 ただし、いくら気をつけていたとしても、ヒスタミンを含んでいるかは個別に検査をしないと知ることはできませんし、広い食品に含まれていることからも、ヒスタミンのない食生活を送ることは難しいでしょう。
また、そのときの体調などによっては、微量でも発症してしまうことがあります。
少しでもヒスタミン中毒を防ぐためには、
- 鮮度の良いもの、品質の良いものを選ぶ
- 購入後は正しい保存方法を守り、早めに消費する
- 日ごろから疲れをためず、体調を整えておく
といったことを心がけると良いのではないでしょうか。 どうしてもだしパックへの不安が残るときは無理をせず、ヒスチジンが少ない昆布や干ししいたけなどをだしの素材として選ぶことをおすすめします。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。