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焦って進める必要はありません。
お子さんのペースに合わせて、今食べられるものを食べさせてあげて。
1歳4ヵ月ともなると、一般的には「肉団子くらいの歯茎で潰せるかたさのものを目安にあげましょう」などと言われていますよね。ですが、これはあくまで一般的な目安に過ぎないので、それを意識して進めようとしなくても大丈夫です。
もしかすると、お子さんの発達がゆっくりなのかもしれません。それが良い、悪いということではなく、個性として捉えてあげてはいかがでしょうか?
というのも、我が子は離乳食こそよく食べてくれましたが、寝返りは1歳の誕生日に初めてでき、歩き出したのは2歳を過ぎた頃でした。当時は、私も月齢別の成長を気にしてあちこちで相談したり、調べたり、検査を受けたり、自分の育て方が間違っていたのではないかと責めたこともありましたが、そのようなことをしてもしなくても、結局、我が子はゆっくりと成長していきました。きっと、慎重な性格だったり、筋肉や関節の発達がゆっくりだったのでしょう。
親が焦って前に進めようとしても、本人が「できる」「やってみたい」と思わない限り、進めることはできなかったんだ、と今となっては思うことができました。
ですから、離乳食の完了についても同じように考えてみてはどうでしょう。
歯の生え方、顎の動かし方、飲み込み方、それらを動かす筋肉の発達の具合いなど、まだ離乳食しか受け入れられない状態なのかもしれません。どうしても離乳食から次の段階の方へ目が行きがちですが、こういう場合は、一段階前に戻してあげるというのも一案です。
しばらくは、後期食(カミカミ期)くらいの、やわらかく煮た粥や野菜を続けてみましょう。
食べにくそうな肉や魚は、ほぐして片栗粉などでとろみを付け、一口に入れる量を少なくします(幼児用スプーンなどの半分以下が目安)。その代わり、口に入れるたびに目の前でよく噛む動作を見せてあげましょう!笑顔で美味しそうに顎を動かす姿を見せることがポイントです(噛んで食べることは楽しくて美味しいことだと伝ることができます)。声掛けとしては、「もぐもぐ」よりも「あむあむ」とした方が、子どもは真似しやすいようですし、普段耳にしない言葉なので興味を持ってくれるかもしれません。「よく噛んでね」だけでは伝わらないので、ここは根気強く付き合ってあげてほしいところです。
顎を動かすことで唾液の分泌も増えますし、そうすることで心配されていたパンや通常のごはんなども飲み込みやすくなっていくのではないでしょうか?これらの食材は水分が少なめなので、しっとりしたものを用意してあげてください。トーストしない、水加減を多めにする、お湯をかけて蒸らしてあげるなどの工夫もしてあげるといいですね。
これらを続けていくことで、お子さんに顎の使い方を覚えてもらい、筋肉や関節の発達が少しずつ進んでいけば、自然と大人の食べているものにも興味を示したり、食べる量が増えてくることが期待できます。
離乳食・幼児食の段階を上げるのは、必ずお子さんのその時々の状況をみて、ゆっくりと進めてくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。