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体を動かしている間は糖質多めでOK、でも通常とは違うことを伝えましょう
幼い頃から山登りをしていると自然にも親しみ、日常生活ではなかなかできない体づくりにもつながると考えられるので、とても良いことだと思います。ただ、体を動かして消費量が増えると言っても栄養バランスについては心配になりますよね。
当日食べたものを大まかに計算したところ、4歳児が1日に必要なカロリーの2/3ほどを満たしており、糖質は摂取カロリーの70%以上とかなり多く摂っているのに対し、他の栄養素は明らかに不足しています。(糖分のみの摂取基準はありませんが、甘いものは多い印象ですね)
登山に限らず激しい運動をする場合、体を動かすエネルギーに変わりやすい糖質の摂取は重要とされています。しかし体重によって消費量は比例するため、大人に比べて体重の軽いお子さんは同じ時間運動しても、大人と同じ量のカロリーが消費されるわけではありません。登山の場合は、「行動時間×体重×5kcal」という式で計算できるようです。
(例)行動時間が4時間の場合、標準摂取カロリーに加えて、60kgの大人で1,200kcal、15kgの子どもで300kcal増やすことになります。また、糖質がエネルギーに変わる時にはビタミンB1やB2といったビタミンB群も必要になるので、それらが不足しているとエネルギー効率は落ちると言えます。そこで、バランス良く栄養素を補給するためには、
- 具だくさんにした炊き込みごはんのおにぎり
- ハム・卵などのたんぱく質をはさんだサンドイッチ
- 手作りで甘さ控えめなおやつ(カップケーキやビスケットなど)
がおすすめです。(動きながらでも食べやすいように、どれも小さめに用意するとGood)
これらを甘いものやお菓子の代わりに食べさせてあげると、たんぱく質やビタミンも摂りやすく、糖分の摂り過ぎを抑えられるかもしれません。もちろん、前後の食事で不足しやすい栄養素を多く摂るようにするのも良いですね。
もう1つ気をつけておきたいのは、今回のように短時間で大量の甘いものやお菓子を食べる環境がこれから日常的になる、とお子さんが受け止めてしまわないかということです。もし今後も同じような状況になった時は「これは激しい運動をする時だけの特別なことで、普段からこんなにお菓子を食べたら病気になったり食事が食べられなくなるからね」などと伝えてあげるようにしましょう。
むやみにスナック菓子や砂糖だらけの食べものを与えているということではなさそうですので、山登りなどの日は運動中の楽しみとして一時的に食べることには目をつむり、代わりに朝食や夕食で十分な栄養が摂れるようにしてあげるのもよいかもしれないですね。
あっさりとした鍋料理や煮物などを取り入れ、たんぱく質を多く含む肉・魚・卵・大豆・乳製品などを多めに使い、野菜を取り入れて満足感のある食事にするとカロリーも控えめで、食べ応えも損なうことなく、栄養のバランスをととのえることになると思いますよ。
山登りも楽しく続けられるよう、できる範囲でサポートしてあげてくださいね!
今回は、【管理栄養士】が回答しました。