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魚でも好き嫌いが!発育に問題はない?

子どもが白身魚ばかり好きで、赤身魚を食べてくれないので困っています。たらや鮭などの白身魚や練り物は食べてくれるのですが、まぐろやさば、カツオなどの赤身魚は食べてくれません。スープに混ぜても、ツナでもおいしくないと言います。今は小さめですが一応成長曲線に入っています。子どもの発育に問題ないですか?
(女児・4歳4ヵ月)

A

魚の酸化臭を取る工夫をしてみましょう。

離乳食は白身魚から始めて、赤身魚→青魚と進めていきますが、魚の味や匂いの違いが気になって食べられないというお子さんはいます。

白身魚と赤身魚(青魚も含む)の違いは、ひと言で言うと「脂肪分」や「血合いの部分」などの含有量の違いと言えます。

「脂肪分」はいわゆる脂質のことですが、DHAなどの必須脂肪酸は食事から取り入れなければいけない成分を多く含んでいます。赤身魚のうち、サバ・アジ・イワシ・サンマなどの青魚と呼ばれる魚に特に多いことで有名ですよね。

また、「血合いの部分」には、鉄分が多く含まれています。 これらの成分は、脳や神経の発育に関わったり、血液の材料となって成長に必要不可欠なのですが、その半面、空気に触れると酸化しやすいという特徴があります。 脂質が酸化されると、生臭さとは別の不快な臭いの発生につながり、それが原因で赤身魚が食べられないということがあるかもしれません。

 

さて、そんな赤身魚ですが、できるだけ酸化させないように、次のポイントに気を付けて調理してみてはいかがでしょうか?

  1. 買ってきたその日のうちに調理する。
  2. 焼くよりも、揚げる。(次いで、蒸す、煮る)
  3. 下処理に料理酒や本みりんを使う。
  4. 酢やこうじを加えて味付けをする。(レモン汁、塩こうじもOK)

これらは、脂質の酸化臭を抑える方法として有効だと思います。 できるだけ酸素に触れる時間を短くし、揚げることで魚の酸化臭が幾分抑えられますし、その他の調理法の場合でも、できるだけ低温で調理することで酸化を抑えることができます。 (焼くのが一番臭う可能性あり)

また、料理酒や本みりんなどに含まれるアルコールは調理中に臭いを飛ばしてくれたり、酢やこうじに含まれるクエン酸は、調理後の酸化を抑えてくれる効果が期待できますよ。 もし、お子さんがカレーが好きなら、カレーに魚のフライを添えてみるというのも良いかもしれません。 香辛料は、強い香りで嫌な臭みをカバーするのに最適ですが、こしょうやハーブなどはお子さんにはあまり向かないため、ほどほどの香辛料で食べやすくしたカレーであれば、その効果は利用できるでしょう。 カレーがうまくいかなければ、ソースやマヨネーズなどを代わりに添えてあげるのもいいでしょう。 (ただし、濃い味で隠しては克服にはなりませんので、適量を!)

 

「嫌い」という程度には、「なんとなく嫌」から「何が何でも絶対無理」というものまで幅がありますから、無理強いすることなく、あくまで「美味しい食べ方があるから、一緒に食べてみない?」と楽しくなるように誘ってみてくださいね!

赤身魚が食べられないと成長に影響が出てしまう!ということはありません。でも、食べ方を工夫しても難しいようなら、鉄分やDHAが補えるよう、赤身肉や緑黄色野菜、えごま油やアマニ油などを積極的に食事へ取り入れることをおすすめします。 ちなみに、鉄分はビタミンCやクエン酸(すっぱいものに多い)と一緒に食べることで吸収率を高めることができますよ。

また、えごま油やアマニ油は、直接DHAを含んでいませんが、体内でDHAに変わるα-リノレン酸を含んでいます。この油もとても酸化しやすいので、加熱調理ではなく、料理にかけて食べるようにしてくださいね。 目安としては1日小さじ1杯で十分です。料理の味はあまり変わらないので、魚を食べない日が続いたら使ってみるのもいいでしょう。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。