A
実はお子さんは“遊んでいる”つもりかも?
せっかく作った食事をお皿ごとこぼされてしまったり、スプーンなどの食具を投げられてしまうと、せっかくの食事が台なしになってしまう上に、お部屋も汚れてしまい、大変な状況になってしまいますよね。それが毎食となると気持ちが滅入ってしまうことは、容易に想像できます。
1歳頃のお子さんは、歩けるようになったり、さまざまな玩具や物で遊んだり、手遊び・体あそびも楽しいと感じられるなど、“楽しい”と感じる物事がたくさん増えてくる時期です。そのため、今まではただ食べるだけだった食事の場面も、<スプーンを投げる⇒お母さんが慌てる反応が面白い>といった“関わり遊び”として捉えている場合も多いのです。お皿などをお子さんが投げた時にお母さんが反応すればするほど、お子さんは“お母さんが遊んでくれている”と感じている可能性があります。そうなるとお母さんが言葉でいくら注意しても、お子さんにとっては楽しいやりとりの一つなので、どうして怒られるのか分からないと思っているかもしれません。また1歳という発達段階では言葉や状況の意図理解はまだ難しい年齢でもあるので、そういった面でも注意する言葉の意味は分かっていないとも考えられます。
また、お皿などを投げるタイミングはいつでしょうか? もしかしたら、始めはいいペースで食べていても、後半になるとそういった行動が出やすかったりしませんか。もしそうした状況なら、食べ進めてお腹がある程度満たされてくると遊び食べ(感覚遊び)の一環としてものを投げるなどの行動が出ているのかもしれません。
関わり遊びや感覚遊びの面も含めて、今は言葉で伝えるのではなく、食べ進みが悪くなってきた時には、お母さんがお皿を持って食べさせてあげるなど、“遊び”に展開しないよう関わっていただければと思います。自立を頑張らせたい、というお気持ちも親心として当然です。ですが、3食もあるお食事がストレスの場になってしまうと親子共々しんどくなってしまうので、まずは“しっかり食べられる”ことを目標にしていただき、ストレスが少ない範囲でお食事の時間を過ごすようにしていきましょう。
※今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。