夏のトラブルと夏野菜の作用

子どもの熱中症について

子どもはどうして熱中症になりやすいのでしょうか?
思春期頃までのお子さんは体温調節能力が十分に発達していません。外気温が皮膚の温度より高くなると、汗をかく・末梢の血管を拡張させるといった体の熱を逃がす機能が追い付かなくなり、深部体温が大きく上昇することがあります。そのため、大人よりも熱中症のリスクが高くなると言われています。また晴天時は地面から反射される熱もあるため、地面に近いほど気温が高くなります。大人より身長の低い子どもや、ベビーカーなどに乗っている子どもは、大人よりも気温の高いところにいることになるのです。また、気温がさほど高くなくても湿度が高いときは、汗が蒸発しづらく、体の熱が逃げづらくなってしまいます。
東洋医学の考え方で熱中症をみても、先に挙げた体の生理機能と似ています。熱が内側にこもっていて、体の水分(津液)が少ない状態です。熱を放出させるのに汗を使いますが、汗が出過ぎると、体の水分(津液)が失われます。では冷房下で熱を高めず、汗もかかない方がいいのか、というとそうではありません。1年という流れの中で、気温の低い冬に体に溜め込んだものを、春から夏にかけて解毒したり、熱や汗で体外に発散・排泄させたりすることがとても大切なのです。

 

3歳までに決まる子どもの汗腺

気温が高くなり汗をかく日も増えてきました。汗の大きな役割の1つが体温の調節です。汗の水分が皮膚から蒸発し、その際に体の熱を奪うことで、皮膚表面の温度が上がり過ぎないように調節をしてくれています。
この汗が出てくる穴を汗腺といい、3歳までにその数が決まると言われています。高温多湿の日本では、汗をかいて体温を調節することがとても大切ですが、汗腺が少ないと体温をあまり下げられなくなります。熱中症やあせもなどの心配もあり、ついつい汗をかかないように冷房をつけたり、涼しいところで遊ぶ時間が長くなってしまうかもしれませんが、長い目で見たときには、この3歳までに汗をかくということはとても大切です。冷房を除湿にする、設定温度を少し上げるなど、無理のない範囲で汗をかけるようにしてみましょう。