Q

口の周りの筋肉を育てるには?

お食事以外でも「口ぽかん」に悩んでいます。慢性副鼻腔炎や鼻炎でもなく、単純に口の周りの筋肉が弱いのかなと思っています。何かおすすめの食材やトレーニング法があったら知りたいです。
(3歳5ヵ月・男児)

A

よく食べ、よく笑い、よく動いて筋肉を育てよう!

「口ぽかん」というのは、口が常に開いている状態ということでしょうか。慢性副鼻腔炎や鼻炎ではないということは、やはりお子さんの口周りの筋肉がやや弱く、口をしっかりと閉じた状態を維持することが難しいのかもしれませんね。

口周りの筋肉が弱い要因の1つに、全身の筋肉もやわらかい状態であることが考えられます。お子さんの身体を触ったときに脚や腕がやわらかかったり、ややふくよかな体形ではありませんか。口周りを支える筋肉は、身体の中でもとても小さい筋肉で、人間の発達の過程の中では比較的後半になって育つものです。大きな筋肉である全身の筋肉がしっかりと育つと、徐々に口周りの筋肉も育っていくので、まずはしっかりと体を動かして、全身の筋肉を育てていくことから始めていくと良いですよ。

 

公園での遊具遊びも楽しいですが、お家の中での触れ合い遊びも身体の筋肉を育てることにとても有効です。少し強めの力でマッサージをしたり、腕や脚をぎゅっぎゅと握ってあげる、強弱をつけて抱っこするなど、身体にしっかりと刺激を入れてあげると、筋肉が育ちやすくなります。また、触れ合い遊びの際はコミュニケーションの一環として、「かわいいね」「大好きだよ」と言いながら顔をしっかり触ると、顔の筋肉にも刺激を与えられ、口周りの筋肉が育つことに繋がります。

 

食事の面では、しっかり噛まずに食べていることが考えられます。筋肉は使えば使うほど育つので、口周りの筋肉が実は使えていない=しっかりと噛めていないのかもしれません。やわらかいものばかり好んで食べる、食べるスピードがとても速い、小さく切らないと食べないといった様子がある場合、実はあまり噛まんでいないかもしれません。その場合は食事の場面で『噛む』ことを意識できるよう工夫してみると良いですね。
きゅうりや生の大根、お肉など噛み応えのある食材をいつもより少しだけ大きめに切る、おやつにおせんべいや固めのグミを用意してみるというように、無理のない範囲で取り入れてみてください。

 

顔周りの筋肉は口をよく動かすことで育っていきます。そうした意味では、楽しい時に笑い、悲しいときに泣くなど、様々な表情をすることや大好きな家族や友達と楽しくおしゃべりをすることも、顔周りの筋肉をよく動かすことに繋がりますよ。よく食べ、よく笑い、よく動く!が筋肉が育つために大切な要素です。日常の中で家族と楽しく身体を動かしたり、さまざまな食材に触れたりすることで、少しずつ口周りの筋肉も育っていくと思いますよ!

 

今回は、一般社団法人ぽけっと【言語聴覚士】が回答しました。