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食事の時間以外にも、食に興味を持つ工夫をしてみて
食事の時間になると、食べてほしい保護者と、あまり食べたくないお子さんとの対立になってしまい、どちらも疲れてしまいますね。本来、食事の時間は、食への興味・関心があってこそ「食べたい」「食べてみようかな」という気持ちが生まれるものです。食べなくなってしまったきっかけはいろいろと考えられますが、一度経験した食べるときの嫌な記憶から、特定の食材を嫌がったり、食べることそのものを嫌がってしまうことがあります。期間については個人差があるのでいつまでとは言えませんが、小学校に上がると今とは異なる環境になるので、そのあたりで変化が期待できる可能性も。
もちろん、それまでにできることはたくさんあります。
保育園での食事の進め方について、聞かれたことはありますか?まずは保育園の方法をまねてみたり、お子さんが食べたり気に入ってくれたメニューのレシピを教えてもらい、それを取り入れてみることをおすすめします。
また、料理は作ってできあがったものを見せるのではなく、「一緒に保育園のメニューを作ってみよう」と誘って、食材に触れさせ、料理の一部をやらせてみるとよいでしょう。皮剥き、混ぜる、入れる、味見をする、盛り付けるなど、どれでもOKです。
なお、ごはんのタイミングでは食べないけれど、おやつであればヨーグルトなどを食べてくれるからと多く与えていることはないでしょうか?1日のトータルで栄養が足りるよう、食べるときにはたくさん与えたいと思ってしまいますが、おやつで満足してしまうと余計に食事を食べなくなってしまうことも…。おやつの量が多いわけでなければ、おやつの時間が食事の前後2時間と重ならないように気にしてみてください。ただし、脂質(油分)が多いおやつであれば、脂質は糖質やたんぱく質に比べ消化に時間がかかるため、3時間くらい空けることをおすすめします。
変化がすぐに表れないとしても、少しでも栄養を摂らせてあげようと工夫をしているのであれば、それは虐待ではありませんから安心してください。今は、日常的に食への興味を持つ機会を増やしていきましょう。たとえば、食材が出てくる絵本を読み聞かせたり、一緒に野菜を見ながら絵を描いてみたり、食材を一緒に選んで買ったり、畑で収穫体験をさせたり、料理のお手伝いをしてもらったりと、2歳のお子さんが取り組めることもたくさんあります。
ちなみに栄養不足かどうかのチェックポイントは、次の項目を参考にしてみてください。
・水分がこまめに摂れているか
・成長曲線が急に下がったりしていないか(もともとのカーブの形から大きく変化していなければセーフ)
・下痢や便秘が続いていないか
・体調や機嫌が悪くないか
こういった点をチェックして当てはまるようであれば、医療機関を受診して相談することをおすすめします。そうでなければ、お子さんの成長ペースだと思って、ゆっくりと付き合っていったほうがよいかと思います。
食べないからと叱ったり、厳しい態度で接してしまうと、食への意欲がますます失われてしまいます。食べないときは時間を決めてサッと切り上げ、重い雰囲気にならないように「また頑張ってみようね」などと明るく声掛けして、食事以外のことに切り替えるようにしてみてくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。