Q

食べられるものが少なく、献立が回りません

2歳5ヵ月の息子がいます。離乳食はスタートから順調に進んだのですが、1歳ちょうどあたりで風邪と胃腸炎になったのを皮切りに、どんどん食べられるものが減っていきました。
授乳をやめても変化はなかったのですが、この頃はまだ、クタクタに具材を煮込んだお味噌汁にごはんを入れれば食べられたし、納豆に混ぜれば食べられたし、いろいろ試すことができていました。しかし、少しずつ食べられなくなっていき、食べられない→バリエーションが減る→同じものの頻度が高い→飽きる→食べられない→バリエーションが減る…の繰り返しです。
ひき肉に色々混ぜてみたらとか、チャーハンに入れたらとかいろいろ言われますが、ハンバーグ、オムライス、チャーハン、餃子など、子どもが好きそうなものはことごとく口にしません。
食べられるのは、白米・たらこスパゲティ・ポテト・具なしラーメン・具なしうどん・ふりかけおにぎり・唐揚げ・焼き魚・カレー・納豆・ヨーグルト・ゼリー・甘いパンです。唯一野菜が摂れるカレーも食べムラがあり、あげる時にはいつもドキドキします。このメニューだけだと毎日の献立が回らずきついです。
託児付きの仕事場で子どもたちのごはんを作る仕事をしているのですが、そっと覗くと息子だけ白米しか食べておらず、戻ってきたお弁当箱を見て毎日悲しくなります。
大人が楽しそうに食事をしたり、これ美味しいよと見せてあげたりもしてみましたが、お好きならこれもどうぞ、と言わんばかりに笑顔でこちらにあーんをしてきます。
フルーツは好きなので、最近はフルーツと野菜と青汁のスムージーを作ってあげていますが、根本的な改善にならないので悩むばかりです。
(2歳5ヵ月・男児)

A

食べられないものも出し続けていきましょう

食べられないものが多く、とても苦労されていますね。

お子さんが食べられるものを拝見しますと、ファミリーレストランのお子様ランチで出されるようなものが多いようにも見受けられますが、その中でも工夫して果物や青汁を補っているのですぐに栄養失調になるような心配はないかと感じました。

 

まず、お子さんが食べなくなっていった原因についてですが、病気を経験したことをきっかけに、ちょうど味覚が変わっていく時期と重なったのだと考えられます。離乳食の頃は美味しいのかどうかということを感じるよりも、様々な食材を口に入れて少しずつ噛んでいくことを練習していたような時期です。それが、幼児食に近づいていくにつれて徐々に味の違いがわかるようになり、好き嫌いが現れるようになると言われています。

この時「この子は〇〇が嫌いなんだ」と決めつけない方がいいでしょう。なぜかというと、たまたまお子さんの体調が良くなかったり、お腹があまり空いていなかったり、食べることよりも遊びたい気持ちが強くてその時は食べたくなかったり、ということが考えられるからです。大人にとってはそんな理由で?と感じるかもしれませんが、お子さんにとってはとても大きな理由です。

一方で、いつもは食べないものであっても「どんなものか気になるな」「まだ食べ足りないから今日は食べてみようかな?」といった好奇心で手を出すこともあります。

食べないと決めつけてしまって食卓に出さなくなることがないように心がけてあげましょう。しばらく食卓から姿を消していたものを目にした時は、「新しくてよくわからない不安なもの」という印象を与えてしまい、どんどん食べなくなってしまうことがあります。

食べないから出さないのではなく、気が向いた時にひと口だけでも食べてもらえるよう、常に少量ずつ出し続けることをおすすめします。最初はひと口分で十分です。そして、ひと口でも食べられた時はすかさず褒めて喜んであげましょう。

その際の留意点としては、

・緑、赤、橙、黄など色のある食材を選ぶ。(野菜がいつもあるのが普通だと覚えてもらうため)
・味が濃すぎなければ、親の食事から取り分ける。(わざわざ子ども用にと用意する手間を省くため)
・ひと口食べることを軽く促し、断られたらそれ以上はすすめない。無理強いしない。(食事の時間を“嫌な時間”として認識するのを避けるため)
・一緒に席について食事をする。(安心感を与え、コミュニケーションの時間にするため)
・笑顔で接する。(情緒と食欲は連動する/食事を楽しい時間にするため)
・どんな食材が料理に入っているか、絵本や実物を見せて教えてあげる。(食材に興味や親近感を持たせるため)

 

今食べられている料理も、下記のように工夫することで不足しがちな栄養を補うことができるようになります。できるものから挑戦してみてくださいね。

 

【白米】分づき米(ぶづきまい)に変える

7分づき程度であれば、色は少し黄色っぽくなりますが、風味はあまり変わらずお米の胚芽の栄養(ビタミン、ミネラル、食物繊維など)が補えます。玄米のような消化の悪さもありません。

 

【具なしラーメン・具なしうどん】スープで野菜やきのこや肉を一緒に煮込み、具を除いて盛り付ける

具材の旨みや栄養が溶け出ているので味に変化を付けられ、水に溶けやすいビタミンなどが補えます。除いた具はおかずとして一緒に出すのもいいですね。(「今日は〇〇と一緒に作ったからいつものラーメンより美味しいんだよ」と言って具材を見せる)

 

【ふりかけおにぎり】できるだけ添加物が少なく食材が活かされたふりかけに変える

さば、いわし、かつおがメインで入っているものや、何種類もの食材が使われているもの(雑穀、ごま、野菜など)など、いろいろなふりかけがあります。食べられる食材の種類が少ないという心配も少しは軽減されます。ふりかけの袋などにイラストがあれば、それを見せてどんなものが入っているか教えてあげましょう。

 

【ゼリー・甘いパン】

食べやすいですが、こういったものは食事の一部やおやつとしては避けたほうがいいでしょう。

というのも、味が濃く身体に必要な栄養があまり期待できず、こういったものに満足してしまうと食事を食べようという気が起きなくなる心配があります。

手作りで甘さを加減してあげたり、新鮮な果物やさつまいも、ドライフルーツなどの天然の甘味を加えたものを適度に与えるのであればいいと思います。(お腹いっぱいになる程はNG!)

食事を食べない分はおやつで補うことが理想ですが、食事代わりになる小さめのおにぎりやバナナなどがおすすめです。

そして、食事の2時間前には間食を済ませ、お腹が空いた状態で食事に臨めるようにしてあげましょう。

 

根本的な改善には時間がかかりそうですが、少しでも食べられるものが増えていくようぜひ根気強く取り組んでみてくださいね。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。