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遊びや運動、生活リズムを見直して「お腹が空いて、おいしく食べる習慣」をつくろう。ゆっくりで大丈夫!
食べてもらいたいのに食べてくれない、もどかしく心配な気持ち…よくわかるのじゃ。
じつはわしも小さいころは好き嫌いが多くて、お豆腐嫌い、ごはん嫌い、お野菜嫌い…で、両親を心配させたものじゃ。でもいつからか食べることが好きになり、小学校高学年になる頃には、なんでもよく食べられる子になった。今思えば両親が決して「食べなさい」と無理強いしなかったから、食べられるものは少なかったが食べること自体には否定的な気落ちを持たなくてすんだように思うのじゃ…とここまではわしの個人的な経験なので、参考までに。
さて、体重が成長曲線を下回っているということで、それもまた心配だと思うのじゃが、まずは、お子さんの一日の生活全体を見直してみるのはどうじゃろう。保育園や幼稚園には通っているのかな?早寝早起きなど規則的な生活はできているかな?遊びや運動など体をよく動かしているかな、お昼寝はどうじゃろう。
ご相談の内容からはわからないのじゃが、身体の成長には、飲んだり食べたりすることももちろん、規則正しい生活や遊び・運動量などもかかわってくるのじゃ。
「子どもの生活=遊びが中心」ともいわれておる。
のびのび体を動かしたり、お部屋の中でもむ中で遊んだり、天気の良い日は公園に出かけたりなど、エネルギーを存分に発揮できるよう、楽しく過ごしていると、自然に空腹感を持てるようになるものじゃ。
思い切り遊んだあとは、「お腹すいたね、さあ、食べようか」と食べる時間が楽しみにできるような過ごし方ができること。
食べる量についてじゃが、お家で食べるときにはこんな工夫はどうじゃろう。口に貯めてしまって時間がかかる…ということなので、少量ずつお皿に載せて提供してみることもアイディアの一つ。「はいどうぞ」少しだけだと、お腹が空いているときには「もっと食べたい!おかわり!」と言うことじゃろう。そんなときは、さらに少しずつ提供して、全部食べられたら、心からほめてあげよう。「食べられたね!えらいね!」そうすると、子どもの達成感や自己肯定感が育まれる。ほめてもらえた嬉しい気持ちが、次の食事の意欲にもつながっていくじゃろう。
「食べさせよう」とするお母さん・お父さんの必死なお気持ちやイライラが、お子さんにも伝わってしまうこともあるかもしれない。まずは肩の力を抜いて、「食べてくれてうれしいな」「食べるって楽しいね!おいしいね」という気持ちを伝えていくことが大切じゃ。
少しずつでも食べられるようになれば、体力もついて思いっきり遊ぶ、またお腹がすく…というように、体重も増えてくるのではないかと思うのじゃ。
時間がかかっても食べてくれることもある、ということなので、そんな時は大変だけど気長に付き合ってあげよう。食事のときには、会話を楽しみながら。テレビはできるだけ付けないほうがよいじゃろう(テレビに気持ちがいってしまい、ますます間延びしてしまうのじゃ。また、歩きながらだらだら食べたりしないように気を付けよう)
食べようとしないときには「お腹がすいてないんだねー。じゃあ、あとで食べようか」と一度さげてみるのもいいかもしれない。そんなふうにお母さん(お父さん)が余裕の態度を見せると「あれ、お母さん(お父さん)いつもと違う?お腹すいたら食べてみようかな・・・」という気持ちが起こるかもしれない。
食事を「食べさせる」ことに一生懸命になりすぎてしまうと、疲れてしまうので、「一緒に楽しく食べる時間(全部ちゃんと食べられなくてもOKな時間)ととらえてみることをおすすめするよ。
(グローバルキッズ保育園園長・本部栄養士・保育士監修)