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こだわりや自己主張は成長の証。“共感”しながら、食べられたね!の達成感を味わおう。
食事中に吐き出してしまうと、「何がいけないのかしら?」「じゃあどうしたら食べてくれるの?」と焦ってしまいますよね。
今まで大好きだった食べ物を急に食べなくなったり、同じものばかり食べたりなど、こだわりや「ばっかり食べ」をする子も多くなります。いわゆる「イヤイヤ期」ともいわれるこの時期の子どもにはよく見られることです。目の前のお子さんの気持ちを想像してみると、「私がべーっとすると、お母さんが嫌な顔、困った顔をするけど、だって嫌なものは嫌なんだもん、だって固いんだもん、わかってほしいな」・・・といったところでしょうか。お母さんの反応を見ながら、自己主張をしているのですね。見方を変えれば、味覚や触覚が発達するとともに、自我が芽生えてきた証でもあります。
また、2歳ぐらいになると、「これを食べたらこんな味がするよ」「これをしたらこうなる、次はこうする」などの見通しが少しずつですが立ってくるようになります。
「食べたらまた嫌な感じがするかな、そうしたらべーっと出しちゃおう、でもそれを見てお母さんがまた悲しい顔をするかな…」と子どもなりに想像していたりもします。
周りへの迷惑なども気になるかもしれませんが、それを気にして困ったり焦ったりしているお母さんの気持ちが伝わってしまうことでますます、困らせるような行動をとってしまうこともあるでしょう。そんなときはまずはお子さんの気持ちの側で見守りながら「また出しちゃって!どうして食べてくれないの?!」というイライラする気持ちを少し横に置いて、こんなふうな会話を楽しんでみるのもいいでしょう。
例えばスープならスープ、同じメニューを一緒に食べます。「もぐもぐもぐ…トマトおいしいね、あらら?出しちゃうのかな?はい、もぐもぐ、ごっくん。ほら、お母さんも同じトマト食べたけど、ごっくんできたよ」べーっと出そうとしたら「もぐもぐもぐ…まだもぐもぐ…そうそう上手だね!はいごっくん、ほら食べられたね!ママと同じだね、トマトは全部食べられるんだよ」
こんなふうに“共感”することで、お子さんも、出さずに食べられることがうれしく楽しい体験であることを学ぶでしょう。
そしてこの時期は、食事中のマナーを身に着けて大人と同じように行儀よく、ということを理解するにはまだ少し早い時期ですので、焦らないでくださいね!「はー、またか…」と思ってしまうこともあると思いますが、大丈夫です。これも成長の一過程。ゆっくり見守っていきましょうね!
(グローバルキッズ保育園園長・本部栄養士・保育士監修)