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他のアレルギーにも注意した上で、えびの煮汁をひと口から始めてみて
えびアレルギーは発症頻度としては幼児期はそこまで高くなく(そばや魚類アレルギーの方が多い)、小学生以降の方が多いというデータがあります。アナフィラキシーショックという重篤な症状が現れる例もあるため、厚生労働省が定める食品表示義務のある特定原材料にも、卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生と、7品目のひとつとして、加工品などのパッケージに必ず記載されています。
初めてあげるタイミングとしては離乳完了食に移ったあたりからが可能になりますが、慎重に進めたい場合には、できるだけえびの成分が少ないものから与えることをおすすめします。サイズが小さく、そのまま食べさせやすい桜えびをごく少量あげてもいいですし、新鮮なえびをゆでた煮汁を一口与えるのはどうでしょうか。
ある調査では、えびアレルギーのある人の80%はえびせんべいやえびを加工した菓子には反応がなかったといわれているため、えびを使った食品では症状が出なくても、えびそのものを食べた場合にはアレルギーが起きるかもしれないのです。
また、同調査によると、えびアレルギーがある人の65%がカニアレルギーを、20%がイカ・タコ・貝アレルギーを発症したというデータがあります。えびに対するアレルギー以前に、これらの関連性のある食材に対してもアレルギーがないことを確かめてから、最終的にえびを与えるというのもいいですね。
そして、一番大切なことは、どの食材であっても初めて与えるときはお子さんの体調と機嫌が良く、医療機関へ受診しやすい平日の午前中にごく少量(ひと口で十分)を与えて食後の様子を観察することです。えびアレルギーの場合は、食後1時間くらいまでに発症しやすいと言われていますが、念のため翌日の朝の様子も見て安全性を確かめてください。
問題がなければ少しずつ与える量を増やし、次のステップとして新鮮でよく加熱したえびを細かく刻んだり、すりつぶしてあげるといいですね。(えびは、加熱によって弾力が強くなるため、奥歯が生えそろう3歳頃までは食べやすくして与えましょう。)
アレルギーの原因となるたんぱく質(トロポミオシン)は、どのえびにも含まれています。生のえびから調理する場合は、購入したその日のうちに加熱することと臭みを除くために黒っぽい背ワタを取り除くと、美味しく食べられますよ。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。