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1歳ではまだ早いので、成長を待って食べさせてあげましょう。
おっしゃる通り、玄米は栄養素が豊富に含まれており、糖尿病予防や便秘対策にも良いということで価値が見直されている食材です。けれども、どちらかというと食べ過ぎや偏食がちな大人に積極的に食べてもらいたい食材であり、ひと口あたりの噛む回数が少ない人や、胃腸の発達が未熟であったり調子が悪い方の場合は消化不良を起こす可能性もあるので注意が必要です。
そもそも玄米とは収穫した稲から籾殻(もみがら)を取り除いたお米のことで、さらに糠層(ぬかそう)や胚芽(はいが)を削って精米していくことで白米ができあがっていきます。玄米には糠層が残っているからこそ栄養素が詰まっているわけですが、逆にその部分が硬くて消化しにくいということにも繋がっているのです。
1歳ですと、幼児食に移っていたとしてもまだまだ噛む練習を重ねている段階ですので、少なくともひと口30回は噛めるように本人が意識できるまでは玄米を食べさせるのは早いです。(消化しやすくするための理想はひと口50回ですが、大人でもなかなか実践するのは難しいですよね…)
大人が言って聞かせて噛む回数を増やせるようになるのは、3歳くらいだと言われています。もしその段階であったとしても、最初から玄米100%のご飯ではなく、白米と混ぜて玄米の割合を減らしたご飯からスタートすることをおすすめします。きちんと噛み砕いて消化吸収されているかは、うんちの状態を見れば判別できます。そのまま粒々の状態で出てきているようであればもう少し玄米を食べさせるのは先延ばしにし、そうでなければ少しずつ割合を増やしていってあげると体調面での不安が解消できますよ。
玄米にこだわらないのであれば、色味や風味が白米に近い「分搗き米(ぶづきまい)」や「胚芽米(はいがまい)」から始めてみるのもおすすめです。
玄米の精米度合いによって、3分搗き⇒5分搗き⇒7分搗きの順に白米に近くなり(白米は10分搗きに当たります)、栄養素は玄米に比べると精米するほどに減ってしまいますが白米よりはビタミン・食物繊維は多く残っていますし、消化しやすくなるだけでなくぬか臭さが軽減して食べやすさも向上します。
分搗き米は糠層と胚芽部分を一緒に削ってしまう精米方法ですが、胚芽米は特殊な方法で胚芽部分を残して精米します。
食料品店で取り扱っていないこともありますので、その場合はお米屋さんで玄米を購入し、お好きな精米方法や精米度合いを選ぶといいですね。
栄養面も気になるかと思いますが、今はお子さんがしっかりと噛んで食事ができるように成長を見守ってあげてくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。