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動物園や水族館など生き物がたくさんいる場所に、お弁当を持って出かけてみて。
新しい環境になじめないことに、一番ショックを受けているのはお子さんでしょうね。「楽しみなこと」以上に「頑張らなくてはいけないこと」の方を強く感じてしまったのかもしれません…。
お子さんから話を十分に聞くことはできましたか?「なぜ?」「どうして?」と思う気持ちをそのままストレートにぶつけるようなことはなかったでしょうか?
4歳ですと、まだまだボキャブラリーが少ないために、自分の考えていることを伝えるのはなかなか難しい年齢かと思います。
ぜひ、そういうときには一言!「でも、大丈夫だよ」で構いません。食に限らず、できないことも認めてあげて、無理に「がんばれ」なんて言わなくていいのです。「自分ならできる!やってみたい!」という気持ちを育ててあげれば、お子さんも自信がついてきてお子さん自身のタイミングで頑張れるようになるからです。
ご家庭でできることはすでにいろいろと実践されており、お母さんの意識の高さ、努力の積み重ねをとても感じました。そうしたことは、食べる食べないに関わらず、ぜひ習慣にしていただくといいと思います。
幼稚園での状況はわかりかねますが、こういう場合は思い切って違う場所に連れ出し、日常を忘れさせてあげるというのも効果があるかもしれません。
お子さんが好きであれば、動物園や水族館などの生き物がたくさんいる場所はいかがでしょうか?おにぎりとおかずを持ってピクニックに行きませんか?
動物たちや魚たちの餌やりタイムがあれば、ぜひ何回も回ってみてください。
「みんな、どんなごはんを食べているかな?」
「何種類の食べ物が入っているんだろうね?飼育員さんに聞いてみようか?」
動物や魚たちも、1種類のものだけを食べていることは栄養バランスを考えてもあまりないと思うので、ぜひ調べて教えてあげましょう。(日によって違う種類を与えていたり、価格によっても変えているのかも)
こんなやり取りをすることで、興味を持ってくれた時がチャンスです!
生きるために食べること、食べることで元気に動けること、食べることで病気やケガに負けない身体をつくること、食べ物にはそういう力(役割)があるということを教えてあげてください。そして、そのためにはバナナだけでは足りないし、草だけでも足りないし、小魚だけ食べていても足りないんだよね、ということを伝えてあげるといいでしょう。
食べ物は、大きく分けると、栄養面で3つに分類できます。
①赤の仲間 /たんぱく質源:骨や身体をつくる(=元気、丈夫)
②黄色の仲間/糖質・脂質源:エネルギーになる(=生きる)
③緑の仲間 /ビタミン・ミネラル源:身体の調子を調える(=病気ケガに負けない、強くなる)
この色分けに沿って、ごはん(黄色の仲間)以外には何が食べられるか、お子さんと話し合って選んでみるのはどうでしょう。
生き物のごはんの話を通じて、持参したおかずを見せながら
「ごはんはエネルギーになるんだよ」
「この中の何を食べたら元気になるかな?」
「これだと強くなれそうだね!」
などと会話を楽しんでみてください。この時は食べられなくても、お子さんがいろいろなものを食べることが大事なんだと目の前のものを見ながら感じてくれればOKです。
その後の食卓でも、お子さんの分のおかずは並べず、一緒に食事をする大人のおかずを見せながら、同じような会話をしていきましょう。その時の声かけは「食べて」ではなく「一口だけ味見してみる?」の方が、お子さんも食べなければいけないというプレッシャーを感じなくて良いと思います。いらないと言われたら「じゃあまた挑戦してみようね」などとサラッと流しましょう。
自分自身で食べたいな、食べられそうだな、という自信がついたら、きっと何も言わなくても食べてくれるようになりますよ。
そうしたら、少量だけおかずを用意してあげましょう。(この段階では食べられるものだけでOKです。ただし、いつでも手を出せるように大人も一緒に食卓について、おかずは並べるようにしましょう)
どうしてもお子さんの体調や発育などが気になる場合は、お家の方が少しは安心できる方法として、補助的に水などに溶かして飲める栄養補助食品などを一時的に使うことをおすすめします。食事代わりではなく、食後や間食に利用してくださいね。(そういったものは水よりも牛乳に溶かす方がおいしいことがあります。水、牛乳、それぞれに溶かしたものを用意して、牛乳の方がおいしいと選んでくれたら、口にできる食材を増やすことにもつながるかもしれません)
時間はかかるかもしれませんが、焦ることで食に対する拒否感がさらに強く頑固になってしまう恐れがありますから、なぜ食べることが大切かということを身を持って感じてもらうために、繰り返し声がけしながら接するようにしてあげてくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。