食事のお手伝いは手先の育ちにも!子どもの自立にも大切!

臨床心理士がお母さん方に伝えたい子どもの行動面についてのアドバイス、今回はその第3弾です。食事が手先を育てることに大きく関係しているということは、離乳食期の手づかみ食べや食具を使い始めるまでの乳児さんの話で、すでにお伝えした通りです。
今回は少しステップアップして、食事を自分で食べられるようになってきた2~4歳児のお子さんの手先を育てるために、お家でできることを紹介したいと思います。

手づかみ食べの時期が終わると、徐々にスプーンやフォークなどの道具を使って自分で食べたがるお子さんが増えてきます。しかし、始めのうちはうまく道具が操作できないために、こぼしたり、汚したりと親御さんの手を煩わせることも多いですよね。
一方で、幼児期のお子さんが成長するにあたって、ゆくゆくは就学していくことを考えると、着替えを自分でできるようになる、字が書けるようになることなどが求められるようになり、どの動作であっても手先を育てていくことは必要になります。

 

「食事のお手伝い」は自立していくことの基礎にもなる

ご家庭でできる手先を使ったおすすめの活動は、「食事のお手伝い」です。
お手伝いが食育につながるということはご存知の方も多いと思います。「この料理はこんなものをつかっているんだ!」と食材に気づいて食事への興味関心が高まったり、お手伝いの中で使った調味料と、出来上がった料理の「あまい」「しょっぱい」などの味がつながったりすることもあります。また、普段食べないものでも、自分でつくったものなら食べてみようというきっかけになる場合もあります。

でも、お手伝いのメリットは「食育」だけではありません。
今までも食事に関連した記事の中でお伝えしてきましたが、まず、いろいろな触感の食べ物に触れることで手先の感覚を育てられます。お肉や野菜、お豆腐など、それぞれに固さや手触りがあります。手で触れてみたり、ちぎる・混ぜるなどの操作をしてみたりすることでいろいろな感覚を取り入れることができます。
また、お手伝いで自分に役割をもらえるとお子さんはそれだけでもうれしいものです。大人から「すごいね」「ありがとう」とほめられると“できた”という達成感が持て、自己肯定感を高めることにも繋がります。そのことが「自分でやってみよう」という気持ちを育て、自立していくことの基礎となっていくのです。