みなさんは『○○の秋』といったらなにを思い浮かべますか?
『食欲の秋』『読書の秋』『スポーツの秋』・・
秋は『収穫の秋』ともいいますね。
果物はりんご、柿、梨など。うちの娘たちはりんごが大好きなので、この季節、待ってました!といった感じです。
それ以外にもさんまや鮭などの魚も美味しい季節ですね。
そして、お米も収穫の時期を迎えます。
そろそろ“新米”の文字を見かけるようになったのではないでしょうか。
9月初旬。
5月に植えた苗たちも、あれから立派に成長し、収穫の時期を迎えました。
約4か月前にはひょろひょろだった苗が、こんなに大きくなるのです。
『実るほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな』という言葉どおり、
実るほどに頭が重たくなって、垂れさがってくる様子を見ることができました。
なんでも経験や年数を積んでいき、知識や技術が身についてくると、つい、ふんぞり返る気持ちになりがちですが、身(実)についてくるほど、頭を垂れる謙虚さを忘れてはいけないんだよね、なんてことを考えながら、しばらく風に揺れる稲穂を眺めていました。
・・それにしても、こちらの稲穂・・
『わたしは頭を垂らしているんだぞ!』と言わんばかりの自己主張っぷりですね。
道路にまで乗り上げてきています。
ここから籾殻(もみがら)をむいてみるとこんな感じに。
なんだか少し茶色っぽいなと思いますが、この状態が “玄米” です。
私たちが普段食べているお米(白米)と比べると、こんなに違いが。
玄米のまわりについている、“糠(ぬか)” などをとると “白米” になるのです。
この“ぬか”にはたくさんの栄養価が含まれています。
だからら白米よりも、ぬかの付いた玄米の方が栄養価が高いのですが、ボソボソとして少し食べづらかったりします。
そこで、この玄米を精米し、白米にして食べやすくしている、という訳です。
“5分づき米” や “7分づき米” などと耳にすることがありますが、この“5分”や“7分”という数字は、白米を10割の精米率としたら、何割精米をしているかで数字が変わるのです。
数字が小さいほど玄米に近く、大きいほど白米に近くなります。
ということは、5分づき米より7分づき米が、白米に近い“分づき米”ということですね。
精米によってはがされた米糠(こめぬか)は、畑の良質な肥料になります。
ちなみに ぬか漬けに使う“ぬか”も、この ぬか です。
ぬか漬けが生野菜よりも栄養価が高いとされるのは、この、お米の栄養価の高い部分を集めたものに漬けるからなんですよね。
考えてみればその通りなのですが、普段何気なく“ぬか漬け”・・ぬかに漬けたものね~、ぐらいにしか思っていなかったので、こうやって改めて色々と繋がって考えてみると、なんだかおもしろいですね!(私だけかしら・・笑;)
ちなみにこの稲穂の藁(わら)の部分は、畑に使われたり、麦わら帽子やぞうり作りに使われたりするそうです。
籾(もみ)から外した籾殻(もみがら)は、田んぼの肥料として。
精米して出たぬかは、肥料やぬか床に。
お米はもちろん食卓へ。
すべてが無駄なく使われていきます。
これこそ、収穫に感謝をして、いただくことなのかもしれません。
我が家でももうすぐこの、新米が食卓に並ぶことでしょう。
そのときはみんなで『いただきます』と言って、美味しくいただきたいと思います。