<font>料理研究家・浜田先生に聞く</font><br>
子どもの野菜嫌いの原因と対策

近年、共働き世帯の増加から、子どもの食にまつわる問題は多様化しています。5月にトレンド総研から発表された「子どもの食育に関する意識・実態レポート調査」によると、10年前と比べ偏食の児童が増えており、学校給食で食べ残しが多い献立1位は「野菜メニュー」ということがわかりました。こうした中、現在注目を集めているのが、子どもを野菜好きにするためのトレーニング =『べジトレ』です。

HAPIKUの栄養相談室へも、「とにかく偏食で困る」「白ごはんしか食べてくれない」「トマトやピーマンを食べない」など、お子さんの食に悩むお母さん方からの切実な相談が多く寄せられています。そこでHAPIKUでは、子どもの食育事情に詳しい、栄養士・料理研究家・食コンサルタントの浜田陽子先生協力のもと、『べジトレ』をテーマに連載を組むことにしました。

1回目の今回は、浜田先生に子どもの野菜嫌いの原因と対策についてお話ししていただきました。

子どもの好き嫌いは12歳までのトレーニングが重要

vegetore001-06浜田陽子先生に野菜が好きになるためのトレーニングの時期について伺ったところ、食の好き嫌いは、味を感じる舌と、舌が感じた味を正しくキャッチする脳の両方が完成する8歳頃までにほぼ決まると言われているとのことでした。

ただ、9~12歳という年齢は情緒の成長が著しい時期で、好き嫌いには身体的要因以外にも理性・自尊心といった心理面も関わってくることから、食事や野菜に対するマナーや姿勢という心理的要因も加味して、自分の心に情緒を蓄えることのできる12歳までのトレーニングが重要とおっしゃっていました。

 

また、早期のトレーニングが大事な理由として、給食に言及されていました。

学校に進学すると、給食でみんなと一緒のメニューを食べることになります。お母さんが好きな食材、味付けをしてくれる家での食卓とは違い、給食では出されたものを食べなくてはいけません。最近、給食で生野菜を残す子どもがとても多いという話をよく聞きます。

栄養面も然りですが、マナーの点からも嫌いな食材をずっと避ければいいという訳ではないので、小学校に入る前にいろいろな食材や味付けを自宅でも体験させてあげて、慣れている味以外も食べられる舌やマインドを育てることが大切とおっしゃっていました。

 

【参考】味覚学習期について

vegetore001-04
プレジデントFamilyより