このコーナーでは、子どもの本とおもちゃの専門店「百町森」店主の柿田友広さんに、おすすめの絵本やおもちゃをNAVIしていただきます。
記念すべき第1回目は「百町森」の紹介からスタートです!
百町森って?
静岡駅に ほど近い市街地の一角。一歩、足を踏み入れると、たちまちたくさんの絵本やおもちゃに囲まれ、わくわくが止まらなくなるワンダーランドがあります。
そう、ここは子どもの本とおもちゃの専門店「百町森」!
何十年も読み継がれてきたロングセラーの絵本や児童書をはじめ、子育てにも役立ちそうな本が約5千冊。ドイツ、スウェーデン、スイスなど世界中から集められたおもちゃは約5千種・2万点。
店内には、ままごと遊び、積み木、ゲームなど販売だけでなく見本も数多く出ていて試せるし、「プレイオン」という有料のプレイルームもあるので、親子で落ち着いてじっくり選んだり、たっぷり遊んだり、充実した時間が過ごせます。
店名の「百町森」は、イギリスの童話『クマのプーさん』で、プーたちが住んでいた大きな森の名前です。
さて、この夢のワンダーランドはどんな経緯で誕生したのでしょう。
学生時代、絵本に魅了された柿田さんは、ニューヨークに子どもの本の専門店があることを知り、「同じような店を開こう」と決意。1979年、地元の静岡市で父親が経営していた印刷所の一部を借りて絵本専門店をスタートさせました。当時、店はわずか3坪ほど。最初の蔵書は100冊に満たなかったそうです。
その後、手狭になったので広げたり移転したりを続け、今は60坪の店舗になりました。
子どもは遊びながら成長する
おもちゃを本格的に置くようになったのは開業10年目のこと。ドイツの幼稚園を見学したことやスイス・ネフ社の積み木を手にしたことなどがきっかけでした。
おもちゃにも絵本と同じくらい深いものがある──。そう感じた柿田さんは、「多くの人に手先を使う遊びの大切さを伝えたい」と、おもちゃを本格的に置くようになり、展示品のおもちゃで遊べる場所も作りました。
初めてのお客さんは、子どもが積み木やままごとなどで夢中になって遊んでいるときの心の安定ぶり、それを目の当たりにすると本当に驚くそうです。
「時代が変わり、電気仕掛けのおもちゃや電子玩具が増えてきた現代にあっても、子どもが持っている本質的な部分は変わっていないはず。乳幼児の時期にこそ、長く愛されてきた普遍性のある楽しいおもちゃで遊んでほしい。」
これは柿田さん、そして、百町森の願いです。
「子どもにとって大切なことは早期教育ではなく遊び」と言う柿田さん。
“就学前は、遊びのチカラが乳幼児を成長させます。さらに、たとえば、絵本の読み聞かせやわらべ歌を通して『聞く』力を身につければ、のちに言葉による教育を受ける能力は自然に身についていきます。
外で元気に動き回ることが大事なのと同じくらい、静かな遊びも大切。
人形などのごっこ遊び、積み木やアナログのゲームなど、さまざまな遊びの中に学びの基礎があるだけでなく、それらの遊びを通して生きる力を育むのです。”
音楽が流れていない静かな店内では子どもは売り場にもある小さなプレイコーナーで集中して遊び、大人はその間に落ち着いて商品を選んでいる。「百町森」でよく見かける光景です。
そして、お客さんの多くが、絵本やおもちゃの選び方や遊ばせ方、延いては子育ての相談などをしていきます。
楽しいイベントが開催されるときや週末ともなると、全国から訪れるお客さんで店内は大にぎわい!?
皆の笑顔が、「百町森」で過ごす時間がどんなに温かくてハッピーなものか物語っているようです。
そんな柿田さんがおすすめする絵本やおもちゃで、「ゆっくり子育て」してみませんか。
第2回目からは、柿田さんに絵本やおもちゃのNAVIをしていただきます。
お楽しみに・・・