お月さまに感謝の気持ちを捧げる日、十五夜。

「十五夜」とは、旧暦の8月15日(新暦の9月中旬)の満月の夜のこと。旧暦の秋(7~9月)の中間に当たり、この日のお月さまは一年で最も美しいとされているため、「中秋の名月」とも呼ばれます。昔からお団子やすすきなどのお供えものをして、「お月見」をする習慣があります。ちなみに、2024年の十五夜は9月17日(火)です。

十五夜にお月見をする理由

旧暦では、新月から三十日月(みそかづき)までの月の満ち欠けを1か月とします。昔の人たちは月の満ち欠けで月日を知ったり、農作物の種まきや収穫のタイミングを決めたり、また生活の明かりとしても、お月さまは欠かせないものでした。そのため、月の満ち欠けに作物や物事の実りを重ね、感謝と祈りを捧げる習慣がうまれたのです。

 

 

お月見のお供えものの意味

お月見のお供えものには、それぞれ意味があります。子どもに話して聞かせてあげながら、お月見を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

月見団子

まんまるの月見団子は満月の象徴。十五夜にちなんで15個、あるいは一年間の満月の数(12個か13個)を供えます。

 

すすき

すすきは、実りを迎える稲穂に見立てられたもの。お月さまから神様を迎えるための目印とも言われます。

 

里芋料理

十五夜の時期は芋類の収穫時期にあたるため、「芋名月」とも呼ばれます。そのため、穫れたての里芋などの収穫物をお供えするようになりました。

 

三宝

月見団子を盛りつける器。台の三面に窓が開いており、窓のない面を神様側に向けると、三つの窓から神様の力を授かることができると言われています。

 

 

国によって異なる月の模様のとらえ方

月の模様をどうとらえるかは、国や地域によりさまざま。日本では「餅をついているうさぎ」ですが、中国では「薬草をひいているうさぎ」北ヨーロッパでは「本を読んでいるおばあさん」東ヨーロッパでは「大きなハサミのカニ」アラビアでは「吠えているライオン」というように、国や地域によって異なる見方をしているようです。

 

 

月のうさぎ伝説

日本で月の模様を「餅をついているうさぎ」にたとえるのは、仏教説話の「月のうさぎ伝説」に由来しています。

 

「むかしむかし、うさぎ・きつね・さるの3匹の動物が、疲れ果てた老人から食べ物を求められました。きつねは魚、さるは木の実をとってきましたが、うさぎはなにも持ってくることができませんでした。悩んだうさぎは、「私を食べてください」と言って、火の中に飛び込んでしまいました。実は、その老人の正体は、帝釈天という神様だったのです。うさぎの行動に感動した帝釈天は、うさぎを月の中に蘇らせて、人々のお手本になるようにしました。こうしてうさぎは月で暮らし、帝釈天のためにお餅をつくようになりました」

 

 

食べ物に感謝する十五夜の起源や、困っている人のために身を捧げた月のうさぎの物語。古くから日本の人々が大切にしてきた十五夜という風習を、お子さんにも教えてあげてくださいね。