子どもに苦手な食べものを食べてもらうのに、苦労していませんか?
我が家の子どもたちにも、好き嫌いがあります。だいたい2人とも、1歳半ぐらいまではなんでもよく食べていたのですが、2歳を迎える前くらいから、すすんで食べるものと、嫌がって食べないものが出てきました。
今まで食べていたものを、急に食べなくなると、「え?なんで?」と少し困惑しますが、好き嫌いが出てくることはとても自然なことで成長の証しです。
だけど親としては、偏らずバランスよく食べてほしいと思うものですよね。
では、どうすれば、なかなか食べてくれない食べものを食べてもらえるのでしょうか。
その前に、なぜ食べたがらないのかを考えてみたいと思います。野菜でいうと、見た目や食感が苦手ということもありますが、その野菜が子どもが好きになれない風味をもっているから、というのが大きな理由のひとつです。
うちの子たちが苦手な野菜、「ピーマン」なんかはまさにそうなんでしょうね。
ピーマンの味というと、まず思い浮かぶのは「苦味」ではないでしょうか。実は苦味というのは、人間の体に害がある味として生まれながらに認識しているものなのです。そんな苦味のあるピーマンは、最初に食べたときからおいしいと受け入れることは、なかなか難しいようです。
繰り返し食べて、その味をたびたび経験することにより、おいしいと感じるようになってきます。おいしいと思うようになるまで、どのくらいかかるかは個人差があるようです。子どもにとって食べにくいと思われる野菜を、食べられるようにするには
①野菜そのものの味をやわらげ、食べやすくなるように調理の工夫をする
②たびたび食卓に出すようにして、その味を経験する機会を多くする
③ほんの少しでも食べられたら、おおげさにほめてあげる
などがポイントです。
その野菜に対してのイメージをアップさせてあげるのです。
でもその前に、うちの場合もそうですが、苦手な野菜を発見した時点で食べようとしないパターン。
どんなに食べやすく調理の工夫をしていても、見ただけで「いや!」と言われてしまっては、先にすすみません。しかもピーマンってどんな料理に入っていても、目立つ!!!
我が家の失敗だったパターンは、“細かく刻んで好きなメニューに混ぜる”です。
好きなものに混ぜてしまえば食べるかも!ということで、ハンバーグに細かく刻んで混ぜましたが、見た瞬間、
「ピーマン入ってるやんか!!!」と大ブーイング。結局、大好きなハンバーグなのに全く食べず。
そしたら今度はもっと分からないように細か~~~く刻んで入れてみる?でもそうなるともはや、本人もピーマンを食べた認識がないかもしれません。それで次からピーマンの料理が出てきたとき、食べてみよう、となるでしょうか?
だからあまりこの方法はおすすめしません。
ではやはり、正々堂々なんの野菜なのか分かるかたちで勝負です。さて、どうやって食べさせようか。お弁当箱に詰めて、雰囲気を変えてみるのも方法です。ピックにさしてみるのもいいかもしれません。
けれどやっぱり一番効果があるのは“言葉がけ”です。
でも苦手な野菜を食べさせようとするときに、必ず注意してもらいたいことがあります。それは、お母さんが「今日は疲れている・・」と感じるときは、無理をしないでください。子どもが「イヤだ」と言ったときに、必要以上にイライラしてしまいます。
そんなときは、「ひとくちだけ食べてみたら?」ぐらいの言葉がけにとどめ、それでもイヤだというときは、潔く「そっか。そしたらまた今度食べてみてね。美味しいからママは食べるね」と、おいしそうに食べるようすだけ見せて終わり、くらいでいいと思います。
お母さんの気持ちに余裕のないときの言葉がけで、子どもが苦手な食べ物を食べることは、ほとんどありません。だいたいが「食べなさい!」と怒って食べさせて、あとでお互いに嫌な気持ちになるパターンです。
「イヤだ」の食べものを食べてみようという気持ちにさせるには、ちょっと忍耐がいりますね。
では、少し余裕のあるときにどんな言葉がけをしてみたらいいのでしょうか。
どの言葉でスイッチが入るか、子どもによって違うと思いますが、参考までに、我が家での成功例をお伝えしたいと思います。
その①「かんぱ~い作戦」
苦手な野菜をお箸でつかみ、「ねぇねぇ、○○(野菜の名前)でかんぱいしよ?♪」と誘います。そして、「かんぱ~い!」と野菜で乾杯したら、一緒に美味しそうに食べます。
その②「これな~んだ作戦」
食材をお箸でつかみ、「これな~んだ?」と、名前を聞きます。
そして、正解が出たら「あたり~!!!」とテンションをあげ、「○○ちゃんのお皿にも入ってる?」と一緒に探し、みつけたら食べます。
かんぱ~い作戦もそうですが、苦手な野菜だけでなく、好きな食材バージョンの合間に苦手な野菜バージョンを入れると、より効果的です。
その③「口のトンネル作戦」
食べなくてお皿に残ってしまった苦手な野菜をお箸でつかみ、「あ~~~ん」と、ママの口元にもっていき食べるマネをしたあと、子どもの口の前にもっていき、 またUターンしてママの口元で食べるマネをしてから、子どもの口にもっていくと口が開くことがあります。口が閉じたままだったら「トントントン。開けてくださ~い」などと言ってみます。
ちなみにこの作戦は、兄弟がいるとより効果的です。張り合って口を開けてくることが多いです。
その④「何個あるでしょ~か?作戦」
数を数えやすい、大豆を使った料理のときなど効果的です。スプーンですくって、「さて、大豆は何個あるかな~?」と数を数えさせて、正解だったらご褒美感覚でそれを食べさせます。
いろいろご紹介させていただきましたが、あくまで我が家でヒットした方法です。もしかしたら試してみて、シラ~っとされることがあるかもしれませんが、そんな状況も笑ってしまえるような、そんな心に余裕がある状態でいたいですね。
とにかく苦手な野菜は「無理やり食べさせないこと」。
そのときは食べても、あとに続かないことが多いし、無理やり食べさせられたトラウマで、大人になってからも好きになれなかったりします。いろいろ試しても食べないときは、ママも子どももいったん休憩です。
焦らないで好きなものを食べ、気持ちが落ち着いたらまた、トライしてみましょう。
さて、我が家も冷蔵庫で出番待ちしているピーマンを、明日料理してみます。子どもがたくさん残したら、パパさんにたくさん食べてもらいましょうか。