忙しいママでも実践できる!<br>『ベジトレ』5つのポイントとお手軽メニュー

子どもを野菜好きにするためのトレーニング=『ベジトレ』。連載企画の第1回では、子どもの食育事情に詳しい、栄養士・料理研究家・食コンサルタントの浜田陽子先生に子どもの野菜嫌いの原因と対策についてお話ししていただきました。

第2回となる今回は、浜田先生監修のもと、忙しいママ・パパでもできる”ベジトレ”のポイントをまとめました。手軽にできるベジトレメニューもご紹介していますので、是非参考にしてくださいね。

野菜にまつわるポジティブな体験の積み重ねが
野菜嫌い克服のポイント

第1回でご紹介したように、子どもの野菜嫌いの9割が「思い込み」です。12歳までにたくさんの成功体験を積み上げ、生産者や料理する人への感謝の気持ちなども含め、野菜に対してポジティブな気持ちを持てるような経験を積ませてあげることが野菜嫌いを克服するためには重要です。

とはいえ、共働きの世帯が増えている現在、子どもの野菜嫌いで悩んではいても、その克服に時間を割く余裕はもてない…というお母さんも多いと思います。そこで今回は、そんな忙しいお母さんでも実践できる『ベジトレ』を5つのポイントにまとめてみました。

 

POINT 1:お買い物で子どもに野菜を選ばせる

子どもに“選ぶ”という主体性のある行動をしてもらうことがポイントです。自分で選んだ野菜なら、子どももチャレンジしやすいもの。

野菜を選ばせる際には「野菜は色が濃い方がおいしいんだって!どれがいちばん色が濃いかな?」など、声をかけてあげるのがおすすめです。家族に協力してもらい、「パパが自分の選んだ野菜をおいしいと言ってくれた!」など、野菜にまつわるポジティブな経験を積ませてあげましょう。

 

POINT 2:料理のお手伝いで素材に触れさせる

vegetore002-img01b料理のお手伝いをすることで、ご飯を作る手間や大変さが経験でき、食べることの大切さを感じることができます。

レタスをちぎる、ミニトマトのヘタを取るといった簡単な作業なら、3歳頃からお手伝いできます。

プレ包丁やテーブルナイフを使えば、野菜を切る作業は早ければ4歳頃からできるでしょう。小学1年生頃からはこども包丁にステップアップしてOKです。

熱を使う「炒める」作業は、小学3年生頃から徐々にお願いしてみましょう。

 

POINT 3:子どもの自尊心をくすぐる声がけ

自尊心をくすぐる声がけは、子どものモチベーションアップに非常に効果的です。思い込みではっきりした理由がないまま野菜を遠ざけていたけれど、チャレンジできたきっかけは声がけだったという子どもは8割以上います。声がけの際は以下のポイントを意識してみるといいでしょう。

  • 野菜を食べられたらその場にいない人に報告させる。
    例:「全部食べられたらおばあちゃんに自慢しよう!」
  • 子どもの知らないところでほめていたことをこっそり伝える。
    例:「昨日ニンジン食べられたのすごいってパパが言ってたよ!」

POINT 4:間食や補食に野菜ジュースや野菜を使ったおやつを活用

vegetore002-img02b野菜が入っているのに飲めた・食べられたという成功体験をすることが子どもの自信につながります。「口に入れた」という実感を持たせるためのファーストステップとして、野菜ジュースや野菜を使ったおやつは有効と言えるでしょう。

POINT 5:野菜ジュースやトマトジュースを使ったおかずで野菜味へのハードルを下げる

野菜ジュースをそのまま飲むのが難しいようであれば、料理に使ってみるという手段もあります。カレーの調理などで水を使うところを野菜ジュースに置き換えるなどの裏技も効果的です。

このときのポイントは「この料理に野菜ジュースが入っていたんだよ」ときちんと子どもに教えること。子ども自身に「この料理には野菜ジュースが入っていて、自分の口に入った」ということを理解させることが成功体験へとつながり、野菜嫌い克服への第一歩になります。

 

食の好みは成長と共に変わっていくだろうと長い目で見る方法もあるかもしれませんが、生涯の好き嫌いの土台をつくる子どもの時に、しっかりと野菜を好きになるトレーニング=『ベジトレ』をしてあげることが大切と、浜田先生は言います。

『ベジトレ』5つのポイント。できることから、是非、実践してみてください。