オノマトペって面白い!
オノマトペを知っていますか?
オノマトペとは、もともとは、フランス語 onomatopée です。
日本では、物や生き物が発する音や声を表した「擬音語」と、状態や動作や様子、声や音、手触り、感情など、音がしないものを表す「擬態語」を包括的に指す言葉として使われています。言葉を駆使して説明するよりもより簡略的に、豊かに表現できる便利な言葉ですね。子どもから大人まで、会話の中で何気なく使っています。
「あ、これってオノマトペだ」といちいち意識しないほどに日常生活に溶け込んでいます。
例えば、
「食べる」に関連するオノマトペを思いつく限り並べてみました。
あつあつ/きゅっきゅっ/くちゃくちゃ/くんくん/ごくごく/ごっくん/こってり/さくさく/さっさ/さらさら/しゃきしゃき/じゃぶじゃぶ/じゅーじゅー/ずるずる/ちゃぷちゃぷ/ちゃぽちゃぽ/ちゅるちゅる/つるつる/とろとろ/とろり/ぬめぬめ/ねちょねちょ/ねっとり/ねばねば/ぱちぱち/ぴちゃぴちゃ/ふーっ/ぷつふつ/ぷりぷり/ぷるん/ふわふわ/べとべと/ぺろぺろ/ほくほく/ほっこり/ほわん/むしゃむしゃ/もぐもぐ/もこもこ/もしゃもしゃ/もちもち/もりもり…
いかがですか? きっともっとたくさんあると思います。
他の言語にもオノマトペはありますが、日本語ほどの種類はなく、しかも、英語などでは大人と子ども、子ども同士の会話や、絵本や童話などで使われることが多いため、大人同士の会話では日本ほど頻繁に使われることはありません。
日本語のオノマトペを他の言語に翻訳しようとするときには、動詞や副詞、形容詞、名詞などに置き換えられることも多いようです。
例えば、英語やフランス語では、「食べる」に関してはどんなオノマトペがあるでしょうか。
ごく一部ですが紹介します。
英語
フランス語
日本語の豊かなオノマトペの表現を他の言語に翻訳しようとすると、なかなかぴったりなものが見つかりません。(かくいう私も過去に日本語からフランス語に訳す仕事をしたことがあったのですが、なかなか大変でした)。
日本語は世界で一番、特に「食にまつわるオノマトペ」が多い国だと言われています。
オノマトペで広がる「ことばの宇宙」
おおむね6か月から1歳3か月未満の赤ちゃんは、座る、はう、立つ、伝い歩き、といったように、運動機能が著しく発達します。周りの人や物に興味を示し、探索活動が活発になっていきます。
「自分」と「他人」や「物」との関係が成立し、特定の大人が応答的にかかわることにより、情緒的なつながりも深まり、あやすと喜ぶ、などのやりとりや非言語コミュニケーションも盛んになります。
大人の声ややりとりがとても心地よく、まだ言葉は話せなくても、話しかけられた言葉の意味は分かってくるようになります。また、大人のすることを真似しようとしたり、共同注視(同じものを見つめる)、指さしが盛んになり、自分の欲求や物の名前を伝えようとします。
赤ちゃんが物をたたきながら「あー」「ばー」と声を出しているのも、やがて獲得する言葉や会話のリズム感を無意識に養っているのです。
「雨が、ざあざあふってるね」
「うさぎさんが、ぴょんぴょん」
遊びの中で、生活の中で、大人とのやりとりの中で…脳機能が物や経験と結びつき、言葉の基礎がどんどん培われています。
「ふうふうしてね」
「もぐもぐおいしいね」
「ごっくんしましょう」
「なべがぐつぐつ」
「ぱりぱりおいしいおせんべい」
このようにに、食べるときにも、オノマトペは大活躍です。耳からも食感や体の感覚を取り入れると「食べたい」「おいしい」体験がより豊かになることでしょう。
絵本の中にも、言葉に対する乳幼児の耳の感覚や語感を養う、オノマトペが出てくるものがたくさんあります。ぜひ親子で、言葉の宇宙を探索してみてくださいね。
大人向けですが、もっと詳しく調べたい、研究したい方は、こちらもオススメ!です。
会社のご近所のフランス語書籍専門店「欧明社」さんで、
日本語のオノマトペの世界を、フランス語の比較をしながらユーモアたっぷりに書かれた本も見つけましたよ。
フランス語のクッキングの本や絵本についてはまたの機会に紹介したいと思います。