今日も地域で、のんびり・ほっこり活動中!<br>
<font>~消しゴムはんこ作家TOMORUFUさん × 地域交流スペース「二俣川ハウス」</font>

二人の子どもを育てながら、「絵を描くことが好き!」という思いに立ち返り、
消しゴムはんこの作家として幅広く活動を続ける、TOMORUFUこと古本貴美子さん。
ボランティアや地域の人々とのつながりを大切に、
地域で地道に活動を続けてきた「どんぐりの輪」代表の迫祐子さん。
どこか懐かしい居心地のよい地域交流スペース「二俣川ハウス」にて、
インタビュー当日に開催された「消しゴムはんこ教室」の模様とともに、
子育てをしながら自分らしく歩み続けてきたお二人の物語をご紹介します。

自分と向き合うクリエイティヴな時間。
「消しゴムはんこ」は、奥深い世界だった!

「どうですか?みなさん、デザインは決まりましたか?それではいよいよ彫っていきましょう!」

デザイン画を選び、トレーシングペーパーを使って消しゴムに写し取ったら、いよいよ…!無心にデザインナイフを動かす、「消しゴムはんこ、小学生のときに遊びでやったなあ。懐かしい!」とワクワクしながら参加した私HAPIKUライター竹内。

しかし、手を動かし始めた瞬間、「…わ、結構難しい!」と怖気づきました。“猫”と“Thank You”というデザインを選んだのですが、デザインナイフの使い方が悪いため、いきなり猫の耳を切ってしまいそうになりました。

「ナイフはこのように…断面から見ると台形のようになりますね、文字を掘るときは外側に向かって…」

見本を示しながら丁寧に、そしてゆっくり教えてくださるので、次の工程に進むのが楽しくて仕方ありません。参加者同士の会話も弾みます。(中にはプロ級の方も!)

皆さんもくもくと制作に打ち込んでいます。

 

「消しゴムはんこ教室」の講師・古本貴美子さん(左)とアシスタント・田中美鈴さん(右)
ちょっとギコチナイけどなんとか完成!消しゴムはんこ、奥深いです…。

本日の講師は、消しゴムはんこ作家のTOMORUFUこと古本貴美子さん。ママたちによる手作り作家活動を行っている「ははのす」代表でもあります。今日はアシスタントとして、同じく「ははのす」メンバーで刺繍作家の田中美鈴さんが、参加者の制作をサポートしてくれました。

途中挫折しそうになりながらも、ようやくできあがったのは、かろうじて猫ちゃんと、文字が読めなくもないギコチナイ作品になってしまいましたが(汗)

消しゴムはんこ、奥深い…!そして楽しい! あっという間の2時間でした。

自分の中の創作意欲や表現したい気持ちを立体的に浮かび上がらせてくれる、そんな貴重な時間を過ごしました。

 

【古本貴美子さん】子どものころから大好きだった「絵を描くこと」
お母さんになってから、自分の夢に“再会”。

古本貴美子さんは、 TOMORUFU(ともるふ)という名前で製作活動している、消しゴムはんこの作家さんです。苗字の古本を逆さ読みして、この名前にしました。

現在中学生と高校生の二人のお子さんを持つお母さんでもあります。

小さい頃から、絵を描くことや手作りすることが大好きでしたが、社会人になってからは、創作することからは離れていきました。『このまま私どうなるんだろう』と思いながら働いていたといいます。そして結婚・退職。

そしてふと、「そうだ!私は作ることが好きだったんだ、ステンドグラス職人になろう!」と思い立ち、夫の応援もあって、当時渋谷にあったステンドグラスアートスクールに通い始めました。

 

「ステンドグラスは、自分でデザインしたものを形にするという、まさに私が大好きだったことができるアートだったのですが、その学校で知ったのは、『職人になる』ってそんな簡単なことじゃない、ということでした」

 

そのうちに子どもを授かり出産・育児の日々が始まります。必死で子育てする毎日の中で、また創作活動からは遠のいていきました。

 

 

幼稚園の卒園アルバムづくりから生まれた「ははのす」
そして消しゴムはんこの作家へ

「上の子が幼稚園のとき、ママたちと、卒園アルバムを制作することになりました。ゼロから企画して、どんなデザインにしよう、素材は何にしよう…とワイワイ。とっても楽しかったんです。そして再び『あ、私、作ることが好きだったんだ!』と思い出したんです」

 

大好きな絵を描いて、形にできて、可愛くて、使えるものって何だろう、育児や家事の合間にできる手作りできること…と考えていたとき、以前も何度か作ったことのある「消しゴムはんこ」を思いついたのでした。

 

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消しゴムはんこ作家・TOMORUFUこと古本さんの作品。さすが、師匠のクオリティは違います。

「消しゴムはんこは独学で学びました。人の真似はしたくなかったので、他の作家さんの本などはあまり見ず、とにかく、自分の中から出てくるアイディアを一つひとつ、デザイン画にしていきました」

 

幼稚園のママ友の一人が、現在「ははのす」として一緒に活動している田中美鈴さん。

 

ある時、友人から希望が丘の『希望カフェ』でレンタルボックスというのをやっているのを聞いて、田中さんと「じゃあ、一緒にやってみようか!」ということになりました。

 

レンタルボックスとは、カフェなどの一角で手作り作品を展示販売できるスペースのこと。早速展示を始めたところ、少しずつ売れるようになっていったのだそう。

それをきっかけにして、周囲の友達や知人から作品作りを依頼されるようになりました。地域の子ども会や学校の役員など、子どもの成長に合わせてその時々に出会った人々とつながりながら、TOMORUFUさんの活動も少しずつ広がってきました。

その後地域の手作りママグループ「ははのす」を立ちあげ、同じく手作りが好きなママたちが集まって一緒に地域のイベントに出店したり、作品づくりのワークショップを開催したりと、活動の場を広げていきました。

そして、2017年8月、二俣川ハウスからの誘いで、第1回目の「消しゴムはんこ教室」を開催したところ、大好評!

 

「思い返すと、小学生の頃から『絵を描いて!』と友達や先生に頼まれて、学級通信などに良く描いていました。自分が作ったものを人が喜んでくれる、それがまたうれしくてまた作る…、という経験が今につながっていると思います」

 

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消しゴムはんこを使った雑貨や布小物も制作。一つひとつ、丁寧に思いを込めて生み出されています。(TOMORUFUさんのWebサイトより)

現在では、イベント出店だけではなく、iichi PinkoiCreemaなどのネットショップで作品を販売中。なんと、トルコやオーストラリア、台湾からも注文が!

 

「いつか年2回台湾で開催されている、世界最大級のデザイナーズマーケットに参加してみたいと思っています!」

 

作品の一つひとつに、丁寧に思いをこめて…小さな消しゴムから、世界へ。これからもたくさんの素敵な作品が、TOMORUFUさんの手から生み出されることでしょう。