離乳食は、いつ始めるの?

離乳とは何か?なぜ必要なのか?

離乳食をいつ頃から始めればよいのか、迷われている方も多いかと思います。その疑問にお答えする前に、まず、離乳とは何かについて確認してみましょう。離乳は「母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から幼児食に移行する過程」と厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド」(2009年)で定義されています。その時に与える固形の食事が離乳食になります。

 

それでは、なぜ、離乳が必要なのでしょうか。それは、水分が8割を超える母乳や育児用ミルクだけでは、日々成長する赤ちゃんに必要なエネルギーや栄養素が不足してくるので、その補給に必要だからです。「離乳」という字は、「乳から離れる」と書くので、離乳が開始すると「乳汁とはさようなら」というイメージが湧くかもしれません。しかし、「離乳食」を「補完食」と呼んでいる国もあるように、乳汁で不足する分を「補完」(補う)する役割をもつのが離乳食です。また、離乳食には、消化機能の増強、摂食機能の発達の促進、精神的な発達の促進、望ましい食習慣の確立といった赤ちゃんの成長・発達にとって重要な役割があります。

開始時期の目安

離乳食の開始時期の目安は、生後5、6か月頃が適切だと考えられています。個人差もありますが、5、6か月頃になり、次のような様子が見られたら、赤ちゃんの離乳の開始の準備が整ったと考えることができます。

「食物アレルギーが心配だから」と5、6か月以降に開始時期を遅らせる方もいらっしゃいますが、離乳の開始を遅らせることは、かえって食物アレルギー発症リスクを上げることが明らかにされているので勧められません。

なお、小さく生まれた赤ちゃんや、病気、障がいのある赤ちゃんは、主治医と相談のうえ、離乳食の開始時期を決めていきます。

母乳や育児用ミルクは、生まれつきの反射(原始反射)によって飲むことができますが、固形食を咀嚼して、嚥(えん)下(げ)(飲み込む)することは、生まれた後、訓練して獲得していく機能になります。その練習過程が離乳食の時期になります。

次回以降、離乳食の進め方などのポイントをご紹介していきます。HAPIKUの「食育コラム」が、離乳食を楽しく進める一助になることを願っています。