フランス編 <font>~冷凍食品の専門チェーンが900店舗~</font>

冷凍食品と言えば、お弁当づくりに重宝されている方も多いことと思います。日本では、1970年代から普及し始め、消費量は増加傾向にあります。社団法人日本冷凍食品協会によると、日本人は、一人あたり年間で21kgの冷凍食品を食べているそうです。といってもイメージしにくいですが、その量は、冷凍食品先進地、欧米諸国の消費量の半分にも満たないと言われています。便利で味も年々向上していますが、冷凍食品を使うことへの後ろめたさを感じる人もいまだ多いのではないかと思います。

冷凍食品しか売ってない店が1,000店舗もある

そんな後ろめたさとは真逆に、フランスには、国内に約900店も展開する冷凍食品専門店があります。PICARD(ピカール)というブランドですが、日本でも昨年より大手スーパーが導入しているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 

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ショーケースがひたすら並ぶ「ピカール」店内

店に入ってみると本当に冷凍食品しか売っておらず、アイスクリームのショーケースみたいなものがただ並んでいるだけの無味乾燥な店です。が、その品揃えは驚くほど豊富。前菜、スープや素材から主菜、パスタやパン、デザート、そして、フランス料理もあれば、イタリアン、メキシカン、アジア、、、お寿司まで、1,000種類以上の商品があるそうです。なかには離乳食や幼児食もあり、ないものはないというくらい。価格も、半額セールになれた日本の消費者には高く感じますが、それ相応という値付けです。その店数からも想像がつくように、フランスの家庭では一般的で、ホームパーティで「この料理おいしい、どうやってつくったの?」と尋ねられて、「ピカールのものよ」という逸話があるほどです。

働く女性が多いから合理的選択

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フランスだけでなくイギリスにも広がる冷凍食品専門店

フランスは、出生率の回復に成功した国です。と同時に、女性の就業率も80%以上と高く、女性は結婚や出産で仕事を辞めることなく、仕事をもつお母さんが多い国でもあります。冷凍食品が普及する背景には、働く女性、お母さんの存在があると思います。買い物や調理の時間が短縮でき、その分子どもと過ごす時間や自分の時間が充実できればという合理的な考えがベースにあるのでしょう。

私たち、日本人は、子育てというと、いい意味でも悪い意味でも、個人的なこだわりや社会的な決まりごとなどに少々しばられているように思います。便利なものも使いようではないかなと、私は思います。

 

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COOKの子ども向け冷凍食品は野菜たっぷりで化学調味料無添加

このピカールの成功をみてか、イギリスでもCOOKという冷凍食品専門店が広がっています。国内に100店舗ほど出店しているそうですが、パステル調のかわいらしいパッケージデザインです。フランス、イギリスの専門店を見ると、日本の冷凍食品には、もう少しおしゃれ心が欲しいところです。