うんちと食の関係~子どもの便秘~

現代医学のように血液検査やレントゲンがなかった時代、どのように健康をチェックしていたのでしょうか?
東洋医学では、長い年月をかけて体の内部の様子を外側からの『観察』によって体系化してきました。観察にもいろいろな方法がありますが、私たちも普段から何気なく子どもの様子を観察していますよね。今日は熱っぽい顔だな、顔色が悪いな、睡眠不足かな、足取りが重いな、など、知識がなくてもなんとなく分かることがあります。
その中でも今回は、毎日観察しやすいうんちから分かる体の状態について、お伝えします。

便の観察でわかるいろいろなこと

便を観察すると簡単に健康チェックができます。また便の色や形状で、食べたものとの関わりについても知ることができます。理想的な便は黄色っぽいバナナうんち。便器を汚さず、つるんとした硬さが理想です。

HAPIKU読者に事前にアンケートをとったところ、51%のお子さんが、黄色いバナナうんちでした。ついで26%が硬いうんち・コロコロ便、22%が柔らかいうんち・下痢気味という結果に。約半数のお子さんが気になるうんちをしていることが分かりました。

 

便の形や色からわかること

うんちの色や形から、不足しているものや摂りすぎているものが分かりますよ。まずは形をみていきましょう。

 

硬いうんち・コロコロ便 水分や食物繊維が不足している可能性があります。
柔らかいうんち・下痢気味 食べ過ぎや消化不良が原因だったり、冷たいもの、甘いもの、油ものが多かったりするときになりがちです。

次に色をみていきましょう。

 

黄色っぽいうんち 善玉菌が多く、腸内環境がよい状態です。
黒っぽいうんち お肉などの動物性たんぱく質などの影響で、悪玉菌が多く、腸に長く留まっている状態です。

 

食材の作用からみた便秘のケア

体は老廃物の約75%を便から排出しているため、滞らせずしっかりと出していくことが大切になります。アンケートでも「排便のたびに泣いています」、「血が出ています」というお子さんのつらい声もありました。そこで食材のもつ力が、どう便秘に働くのかをみていきましょう。

 

水溶性食物繊維を意識する

現代人に不足しがちな海藻やきのこ、こんにゃくなどの水溶性食物繊維を意識して摂りましょう。食べづらい場合は、ごはんを炊くときに寒天を加えてみてください。味はほとんど変わりませんよ。

 

ごまやアーモンドなどのナッツ類を取り入れる

ごまなどのナッツ類には、腸の滑りをよくする作用があります。ごま和え、すりごまのふりかけなどで取り入れるとよいですね。

 

排便作用のある苦味の働き

苦味には排便を促す働きがあります。春の食材に苦味のある食材が多いのは、冬に溜めた老廃物を排出させるためです。苦手な場合は、苦味の少ない小松菜などの葉物野菜を少しずつ取り入れてみてください。

 

意外なあずきといちじくの働きとは

あずきの煮汁には尿を出す作用があり、あずきの実には排便作用があります。小正月のあずき粥、春分や秋分のおはぎなど、季節の変わり目にあずきを使ったものが多いのも排泄を促すためです。

また、漢方ではいちじくを便秘のときの生薬として用いていました。

 

パンなどの小麦製品を控える

小麦の性質の1つに、腸に長く留まるということがあります。また、小麦は動物性食品ではないですが悪玉菌を増やすこともあるため、便秘のときは少し控えてみるのもよいでしょう。

このように食物繊維や水分以外でも、便秘に作用する食材はたくさんあります。毎日少しずつ取り入れて、便秘の改善に役立ててください。

次回は、柔らかいうんち・下痢気味の場合のケアについてご紹介します。