おねしょと食の関係

また、五行は、7情という「怒・喜・憂・思・悲・恐・驚」の7つの感情でもそれぞれ分けられています。おねしょに関わる「腎」は、恐れや驚きになります。乳幼児期の子どもの睡眠は大人より深く、尿意で起きることが難しいこともあるため、叱っても改善されないばかりか、子どもが驚いたり怖がったりすることで「腎」に負担がかかり逆効果となります。また、毎夜定期的に起こしてトイレに連れていくことは、夜間のホルモンのバランスに影響を与えてしまうため、避けた方がよいでしょう。

 

「腎」を調える味は鹹味(かんみ)、つまり塩味です。就寝前に塩を少し舐めるという民間療法もあります。ただし、塩分の摂りすぎや濃い味付けのものを食べると、喉が渇き水分を欲します。水分の摂りすぎはおねしょにも影響を与えますので、薄味を心がけながら、「腎」に属する海藻類、魚介類、味噌、醤油などを上手く取り入れましょう。

 

おねしょと体の冷え

おねしょする子どもの体は冷えていることが多いため、夏に向かうこの時期でも足元を温かくしてあげることが必要です。梅雨時は体感としては冷えていなくても、足元が冷えていることがあるのです。足が冷えると、冷えた血液が体の方に上がり、膀胱など下腹部の臓器を冷やし、おねしょの一因となると言われています。

 

Summer vegetable set食べ物では、根菜や魚、梅干しなど陽性の食べ物は体を温めますが、トマトやキュウリ、ナスなどの陰性の夏野菜やじゃがいもは、体を冷やすだけでなく、利尿作用もあるため、夜に摂るのは控えてみましょう。食べ物の陽性(温める働き)や陰性(冷やす働き)についての詳しいことは、「東洋医学からみた食育の考え方~陰と陽~」をご参照ください。

また、冷えから軟便などになりやすい方は、「うんちと食の関係~軟便と冷え~」をご参照ください。

 

おねしょには食べ物だけでなく感情も関係しています。あまり神経質にならず、おおらかな気持ちで受け止めてあげましょう。