5つの味の働きと子どもの味覚

五行における五味

 

それぞれの味は、下の図のように五行の5つのエネルギーに分けられます。5つの味にはバランスが大切とお伝えしましたが、1つの味が多すぎると、他の部分に影響を与えてしまいます。「木」が育ちすぎると「土」の養分をとり、「火」が強いと「鉄(金)」を溶かし、「土」が多いと「水」の流れを止めます。五行ではこれを「相克(そうこく)」といい、1つのエネルギーが強すぎることで対立する関係のエネルギーを妨げることに繋がります。

 

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和食では、例えば餡子(甘味)を煮る時に塩(鹹味)を入れたり、酢の物(酸味)には砂糖(甘味)を足したり、きんぴらごぼう(苦味)には唐辛子(辛味)を入れたりと、1つの味が強くなりすぎないように、赤い矢印の先の相克関係になる味と組み合わせる工夫がされています。これを二味配合といいます。

 

この中にある「甘味」、これは元々穀物やさつまいもなど自然の甘さを指しますが、お砂糖のたっぷり入ったお菓子は「土」のエネルギーが強くなりすぎ、相克の「水」を押さえてしまいます。2つの味の組み合わせは、日々の献立にも取り入れられるだけでなく、間食などで甘いものを取った時は、子どもの食べやすい鹹味となる海苔やじゃこ、お味噌汁などを食事でとるようにするとよいでしょう。