誤飲に注意!

先日、ぶどうを喉に詰まらせて園児が死亡するという痛ましい事故が起きました。日々の食事を通して、『噛む』『吸い込む』『飲み込む』などの動きを練習している段階の、年齢の小さなお子さんたちにとっては、食べ物の種類や形状によっては、こうした事故につながりやすいものも出てきます。
今回は、こうした食事の際の事故を防ぐためにどんなことに気をつけたら良いのか、子どもの発育や発達に向き合う専門家 言語聴覚士の先生にアドバイスしてもらいました。

もしも誤飲をしてしまった時の対応ですが、子どもの場合詰まった物を咳き込んだり、吐き出したりが上手に出来ないこともあり、子ども本人に対応させることが難しいことがほとんどです。また詰まってしまうと、気管が塞がれてしまうため、うまく声も出せません。反応としてはえずいたり、顔面の色が青白くなる、唇が青紫になる、といった様子が目で確認できるかと思われます。誤飲の程度によって大人の対応は異なるため、以下の応急処置を参考までにご紹介いたします。

 

詰まっている物が見える場合

掴んで取り出してください。

 

詰まっている物が見えず、お子さんの意識がある場合

乳児はうつ伏せにしてお腹側から大人が体を支えてあげた状態、幼児は四つ這いにした状態で、背中の肩甲骨の中心のあたりを掌の付け根で叩く。(背部叩打法)
*この際、口が閉じないように下あごを支えてあげると、吐き出しやすくなります。

 

乳児は仰向けにした状態でみぞおちのあたりを指2本で押す。幼児はみぞおちのあたりを押す。(ハイムリック/腹部押し上げ法)
*この方法はろっ骨を痛める可能性があるため、力は籠めすぎないよう注意してください。

 

救急車を呼ぶタイミング

以下の症状が見受けられる際には、すぐに救急車を呼んでください。

  • 呼吸が苦しそうな状態が続く。
  • 顔面が蒼白、または唇の色が青紫になる。
  • 意識がなく、ぐったりしている。
  • けいれん
  • 呼吸が止まっている。
    など

せっかくのご飯やおやつの時間、お子さんにとっても楽しく、安全に、食べられることが大事ですよね。これから離乳食を始めるお子さんも、自分で食べられるようになったお子さんも、まだ大人がしっかりと見守ってあげる必要があります。日々の食事の中で取り入れられるポイントで、安全に、楽しくお食事を進められるといいですね。

 


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【言語聴覚士】が執筆しました。

 

一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
https://www.pocket-room.org/


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