誤飲に注意!

先日、ぶどうを喉に詰まらせて園児が死亡するという痛ましい事故が起きました。日々の食事を通して、『噛む』『吸い込む』『飲み込む』などの動きを練習している段階の、年齢の小さなお子さんたちにとっては、食べ物の種類や形状によっては、こうした事故につながりやすいものも出てきます。
今回は、こうした食事の際の事故を防ぐためにどんなことに気をつけたら良いのか、子どもの発育や発達に向き合う専門家 言語聴覚士の先生にアドバイスしてもらいました。

いろいろなものを食べてもらいながら事故を防ぐ

しかし、事故に繋がるからと言って、前述の食べ物を全て食べさせない、は難しいことです。栄養面でももちろんですし、色々な食べ物を食べる経験を重ねる中で、お子さんたちは体も心も成長させているのです。
では、様々な食べ物をお子さん達に食べてもらいつつ、事故を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。いくつかのポイントをご紹介しますね!

 

小さく切る、ちぎる

既にしっかりと対応されている方もいらっしゃると思いますが、これはとても大事な予防策です。お子さんが誤嚥を起こす大きさで最も多いのは、6㎜から20㎜と言われています。特に離乳食や幼児食に移行したばかりの、まだ上手に噛むことが難しい段階のお子さんには、半分の大きさ4分の1くらいの大きさにしてあげることが大切です。上手にかじりとりが出来るようになってきたら、お子さんにかじり取ることを促していっても良いと思います。

 

しっかりと見守る

お子さんによっては、ご飯を食べているときにおしゃべりに夢中になったり、遊び食べになったりしてしまうこともありますよね。もちろん、ご飯を楽しく食べることも大切です。しかし、おしゃべりや遊びに気持ちが向き、本来入るよりも多い量を、口に詰め込んでしまっている場合もあります。たくさんの量を口に詰め込んでしまうと、そもそも噛むことが難しくなります。お口に入れる量は、大人がすくってあげたり、口に運ぶ前に量を減らしたりして、調整してあげると良いでしょう。

 

よく噛めるようになるのを待ってから食事に出す

お餅やこんにゃく、塊のお肉等、しっかりと噛む必要がある食べ物は、噛むことが上手になってから出してあげるのも1つです。また、煮て柔らかくなる豆類やいも類、お餅などは、柔らかくなるまでしっかり煮てあげると、年齢が小さいお子さんでも誤嚥の危険性が下がるでしょう。

 

水分をよくとる

いも類やパン等、お口の中の水分を取られる食べ物もありますね。そうした食べ物をたくさん口の中に詰め込んでしまうと、飲み込みにくくなるため、誤嚥しやすくなります。お茶やお水、スープ等、水分を一緒にとることで、これらの食べ物での誤嚥を防ぐことに繋がります。

 

スプーンですくって食べる

ゼリーやプリン等ぷるぷるしているものは、つまんで食べられる小さなサイズのカップでも、年齢が小さいお子さんは、大人がスプーンですくって食べさせてあげても良いでしょう。

この時に使用するスプーンの形にもポイントがあります。スプーンの食べ物を乗せる部分が、丸くて横幅が広かったり、くぼみが深かったりするものは、お子さんが食べにくい形状です。また、こうした形状のスプーンは、お子さんが自分で食べる場合にも、大人が食べさせてあげる場合にも、スプーンを上に持ち上げながら、食べ物を口に入れる動きになりやすいです。スプーンを上に持ち上げながら口に入れていく食べさせ方は、お子さんの顎もつられて上に上がりやすいのです。顎を上に向けたまま飲み込むと、誤嚥しやすいため、注意が必要です。そのため、スプーンの食べ物を乗せる部分は、①木や金属のよう固い②幅が狭く細長い③くぼみは浅く平らに近い、の条件を満たすものが、事故を防ぎやすい形だと考えられます。