臨床心理士がお母さん方に伝えたい子どもの行動面についてのアドバイス、今回はその第3弾です。食事が手先を育てることに大きく関係しているということは、離乳食期の手づかみ食べや食具を使い始めるまでの乳児さんの話で、すでにお伝えした通りです。
今回は少しステップアップして、食事を自分で食べられるようになってきた2~4歳児のお子さんの手先を育てるために、お家でできることを紹介したいと思います。
ポイントを抑えて取り入れてみよう
しかし、お子さんがやる食事の「お手伝い」と聞くと、時間がかかる、手間が増える、汚れる、包丁などが危ないなどハードルが高いイメージがあるのではないでしょうか。
実はポイントさえ抑えれば意外とお手伝いは取り入れやすいのです。お手伝いのポイントをいくつか紹介しますね。
お手伝いのポイント
1つだけの簡単なお手伝いでOK
料理の1から10まで全部一緒に、包丁などの道具を使って完成させることだけがお手伝いではありません。たくさんやらせると、子どもも飽きて適当になったり、それをみてイライラしてきたり…。悪循環に陥りがち。お手伝いは1つだけでOK!
完璧を求めない
例えば種や皮をとってもらう作業をお願いしたときに、7~8割できていれば多少残っていてもよいことにしてしまいましょう。お手伝いの目的はお子さんの経験を広げることであって、完璧に料理を作ることではありません。仕上げは大人が行いましょう。
ほめる基準を下げる
ほめる事柄はちょっとしたことでよいので、お子さんが少しでもお手伝いをしてくれたときには大いにほめてあげましょう。たとえば「○○ちゃんが一緒にやったからおいしいね!」「パック(ふくろ)をあけてくれたから作れたね」など直接料理の味に関係がない作業でも、ほめてあげてください。お母さん・お父さんからほめられることが、お子さんにとっては「またお手伝いしよう」という気持ちにつながる一番の近道です。
時間がかかってもいいし、毎日やらなくてもいい
お子さんの作業は時間がかかります。そのため、大人に気持ちや時間の余裕がある時がお勧めです。お仕事で忙しい平日や、お出かけ等の予定がある時のご飯などは避け、のんびりできる休日のお昼のタイミングなどに試してみてください。
実際にどのようなことを子どもに手伝ってもらったらいいのか迷われる方も多いと思います。
簡単にできるお手伝いを紹介します。
- ピーマンのたねとり
- とうもろこしや玉ねぎの皮むき
- レタスや海苔等をちぎる
- スライスチーズのビニールをはがす
- 計量カップで測る(お米にいれる水や調味料等)
- コップに飲み物を注ぐこと
- 袋を開ける
- ごはんをよそう
- 袋の上からお肉等をもむ
- こめとぎ
お子さんたちはまだまだ発達の途中なので、はじめは上手にできないこともあるかもしれません。まずは『やってみる』『楽しみながら取り組んでみる』ことが大切です。お互いのストレスにならない範囲でお手伝いを取り入れてみるのも、お子さんの経験を増やすいい機会になるでしょう!
※今回は、一般社団法人ぽけっとの【臨床心理士】が執筆しました。
一般社団法人ぽけっと
2017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと
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