食事に集中できないのはなぜ?

小さなお子さんの行動面について臨床心理士がお母さんたちに伝えたいこと、その第2弾は「食事に集中できないのはなぜ?」です。
食事に集中できないのには訳があり、その時、大人はどう関わるべきかを説いてくれています。
同じようなテーマでは、以前、「机といす、5つのチェックポイント」の中でも食事に集中できない理由を探っています。

大人はどんな風に関わるべきでしょう。

では、こうしたお子さんの行動に対して、大人はどんな風に関わってあげると良いのでしょうか。大前提としては、“毎日頑張りすぎなくて良い”ということです。体重が増えず、医師や保健師などから食事や栄養の指導を受けている場合は除きますが、『食べさせる』ことに大人が頑張りすぎると、お子さんにとって食事の時間が苦しい時間になってしまいがちです。特に食事はマナーと直結しやすい部分もあるため、“きれいに食べさせなきゃ” “お行儀よくしなくちゃ”と意識が向きやすいですが、この時期のお子さんに求めすぎると、お父さん・お母さん自身も辛くなってしまいます。そのため、特に興味・関心が急速に広がっているこのタイミングで、「一定の食事姿勢を保ち」ながら、「集中」して、「しっかりと食べる」ことを頑張りすぎなくても良いのではないかな?と私たちは考えています。

 

環境づくりや食器や食具の工夫で十分!

そうは言っても好き勝手させてよい、というわけではなく、この時期にはお部屋の中の環境、食器や食具の工夫をしてあげるだけでも、十分かと思います。例えば、食事をする席の近くに玩具があったらそちらにお子さんは気持ちが向いてしまうのは当然ですよね。食事の時には片づけておくなどお子さんの視界に入らないよう、物の位置に気をつけてあげることは大切です。また、テレビやタブレットに気持ちが向きやすいお子さんは、食事の時にはタオルをかけてテレビやタブレットを隠すなどそれ自体が見えないように工夫してあげても良いかもしれません。“自分でやりたい!”という気持ちが芽生えてきている時期のお子さんであれば、お食事を食べるとお皿の底から好きなキャラクターが出てくるような食器を使うことで、「食べたらこんなことが起こる!」というお楽しみ要素を入れてあげても良いでしょう。

 

お子さんの成長段階や、興味・関心の広がり方によって、今のお子さんに合わせた関わり方や工夫の仕方は変わってきます。『食べる』ことに拘らず、その時その時のお子さんの成長や興味に合わせて、お父さん・お母さんと一緒に、楽しみながら食事を進めていけると良いですね!

 


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【臨床心理士】が執筆しました。

 

一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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