これまでのコラムの中で、[食べ過ぎる] [少食] [偏食] の背景に、感覚面の育ちが関係していることをお話してきました。感覚とは、視覚や聴覚といった五感に加え、身体のバランス感覚、筋肉の張りの状態、リラックス状態などを感じとるセンサーのような働きです。
今回は、お子さんが食事をしている時の気になる様子を取り上げ、感覚面を育てていくための方法をご紹介します。
いつもの遊びや生活にワンエッセンス加えるだけ!
外遊びの例
滑り台 |
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滑り台での踏切ごっこ(お子さんが滑っているときに、「カンカンカン 止まります」と大人が腕で踏切を作る)は、お子さん達に大人気の遊びです。大人が作る踏切と自分との距離や、スピード感、踏切が開かない時には踏切前で身体を止めるなど、動きを調整することを体験できます。 また、滑り台を使っての坂登りも、身体の感覚を掴む上で有効です。 |
砂場遊び |
砂で好きな形を形成する際に、どの程度水を混ぜると形成しやすい固さになるのか、試行錯誤を重ねて実験ができます。 山づくりでは、高さを出したりトンネルを掘ることで、自分の背の高さや手の長さを感じることができます。 砂場の縁を平均台に見立てて歩く遊びもできます。落ちそうになっても身体の傾きを感じながら落ちないようにこらえたり、忍者ごっこのような設定にして、歩く速度(ゆっくり/早く)を調整したり、ドンじゃんけんで相手との距離をつかんだりすることもできます。 |
室内での遊びの例
大人の膝の上に乗ってゆらゆら/がたがた遊び、大人の体によじ登る |
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不安定な場所での体の傾き(平衡感覚)を感じる&耐える&対応する |
いろいろなものでくすぐり遊び(ex.手/タオル/ティッシュ) |
感触の違いを感じる。どこをくすぐられているか体の部位を意識する。 |
クッションや布団などで遊ぶ |
不安定な場所を転ばないようにゆっくり歩いて姿勢の調整をする。 布団に巻かて圧迫されることで、自分自身の身体の大きさや形を認識する。 |
新聞紙や広告をビリビリ破いたり、丸めてボール遊び |
独特の感触を楽しむ。長く/細くなど破る際の調整。 1枚の新聞紙をやさしく丸めると柔らかくて大きなボールに、力を込めて丸めると固くて小さいボールになるなどを体験する。 |
こんな風に、特別な道具や玩具が無くても遊びを広げることができます。
必要なのは、いつもの遊びや生活にワンエッセンス加えるだけ。それには、お父さん、お母さんのアイデアが必要です。
“しっかり身体を使って遊ぶ” 経験は、お子さん一人で勝手にできるものではありません。しかし、経験が出来ないと感覚面は育ちません。
大人がしっかり関わって遊ぶ1回あたりの時間は短い時間で構いません。生活の中で、遊びの要素を1つ加えてみることで、身体の感覚を育てながらしっかり食事ができる身体作りにつなげていけると良いですね。
※今回は、一般社団法人ぽけっとの【臨床心理士】が執筆しました。
一般社団法人ぽけっと
2017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと
』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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