ご飯を食べすぎてしまうのはどうして?

臨床心理士が伝える感覚面の話、第4弾は作業療法士が担当します。ご飯を食べ過ぎてしまうお子さんについて、考えられる要因とお母さんとして心がけてほしいことを説いています。

食べ過ぎを防ぐための工夫とは?

では、食べすぎてしまうことを防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか。
もちろん、先ほど申し上げた、食べすぎの要因となりうる満腹中枢と内感覚をどちらも育てていく必要がある、ということになるわけですが、具体的な対応としては次のような関わりや工夫をおすすめしています。
まず、小さいお子さんの場合は、様子を見ながら判断するなど大人が食事量の調整をすることが必要です。それでもお子さんが「もっと」と求める場合には、

 

  • 1回の食事量を減らして食事の回数を増やす
  • おかわりは一度にたくさんあげずに小分けにする

 

 

などの工夫をしてみてください。

また、満腹中枢は“噛む”行為によって刺激され、うまく働くようになると言われています。離乳食期は噛むというよりも舌や歯茎で“すりつぶす”に近い動きになりますが、“しっかり口を動かして噛む”ことで、満腹中枢をしっかり働かせることにつながります。

 

次に、内感覚を育てるためにはまず、体の外からの感覚をしっかり捉える経験を積むことが必要です。そのためには“感覚あそび”や“体あそび”がおすすめです。感覚あそびや体あそびと聞くと何か特別なもののように感じられるかもしれませんが、実際にはそうではありません。

 

粘土やお砂、水など手や体で様々な物の感触に触れたり、感じたりして楽しむものなら何でも“感覚あそび”と言えます。“体あそび”はくすぐりや寝転がっているお子さんの体をお芋さんと称して転がす遊び、シーツブランコなど、お子さんの体に触れながら楽しむふれあい遊びを指しています。またお子さんのことをぎゅっと抱きしめてあげるだけでも体の感覚を育てていく関わりの一つです。
こうして外からの様々な感覚を取り入れ、感覚そのものを育てることが、内感覚を育てることにつながるのです。

 

お子さんがたくさん食べてしまうこともあるかも知れませんが、総合的に体重が成長曲線内に収まっていれば、生活したり、動いたりする中でうまくエネルギーに変えることが出来ていると考えられます。1回1回の食事量が気になる時には、成長曲線も見ながら、食事量について見直してみても良いかもしれませんね!

 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【作業療法士】が執筆しました。

 


 

一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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