お箸を持たせる時の上手な教え方とは?

食具について作業療法士が伝えたいこと、第4弾は「箸を持たせる時の上手な教え方」についてです。前回は、"お箸を持たせるタイミングや実際に上手に使えるようになるのはスプーンやフォークの操作が上手になってから” という話をしました。今回はそんなお箸の上手な持たせ方について紹介します。

正しい持ち方はいつから教えていいの?

正しい持ち方を伝えていくタイミングは、クレヨンや色鉛筆を親指と人差し指で使えるようになってきた時です。その時が、お箸も指で操作できるようになるチャンスなのです。

 

まずは1本を親指と人差し指で持ち、2本目を親指の付け根から差し込んで持たせます。初めのうちは刺し箸からで構わないので、そのまま続けて使わせましょう。
指だけでの操作は難しいので、掌を下に向け、すくって食べるような動作が出てくると思いますが、そこもあまり修正せずにいきましょう。修正を始めるのは、小学校に入ってからでも実は遅くはありません。まずは、楽しく美味しく食べることが先決です。箸を持って、食事を1人で取れるようになることを目標にしましょう。また、お箸を使う際に、うまくできないとやる気は出ないので、掴みやすい食材をメニューの中に一つは準備してあげると、その時期のやる気につながります。

 

お皿の形状と位置も大事!

食事の際に、本人からお皿が遠いとうまくいかないことが多いので、お皿は本人の腕の中に収まる位置に設置しましょう。お皿が肘より手前にあることで、手が内側を向きやすいので、お箸も綺麗に持つことができます。また、お皿はできるだけ陶器などの動きにくい深めの器がお勧めです。

 

お箸で食べ物を挟めるようになってきたら、次に重要になってくるのは、薬指と小指です。この2本にしっかり力が入っていないと、お箸は上手に持つことができません。もしうまく力が入れられない場合は、小さく畳んだティッシュなどを薬指と小指の間に挟ませるとうまくいきます。

とはいえ、お箸を持ち始めの時には、どんな形でもいいので、お箸を使いながら楽しく美味しく食事を摂れるようにしていけるとよいですね。

 


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【作業療法士】が執筆しました。

 

一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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