お月さまに感謝の気持ちを捧げる日、十五夜。

「十五夜」とは、旧暦の8月15日(新暦の9月中旬)の満月の夜のこと。旧暦の秋(7~9月)の中間に当たり、この日のお月さまは一年で最も美しいとされているため、「中秋の名月」とも呼ばれます。昔からお団子やすすきなどのお供えものをして、「お月見」をする習慣があります。ちなみに、今年(2022年)の十五夜は9月10日です。

国によって異なる月の模様のとらえ方

月の模様をどうとらえるかは、国や地域によりさまざま。日本では「餅をついているうさぎ」ですが、中国では「薬草をひいているうさぎ」、北ヨーロッパでは「本を読んでいるおばあさん」、東ヨーロッパでは「大きなハサミのカニ」、アラビアでは「吠えているライオン」というように、国や地域によって異なる見方をしているようです。

 

月のうさぎ伝説

日本で月の模様を「餅をついているうさぎ」にたとえるのは、仏教説話の「月のうさぎ伝説」に由来しています。

 

「むかしむかし、うさぎ・きつね・さるの3匹の動物が、疲れ果てた老人から食べ物を求められました。きつねは魚、さるは木の実をとってきましたが、うさぎはなにも持ってくることができませんでした。悩んだうさぎは、「私を食べてください」と言って、火の中に飛び込んでしまいました。実は、その老人の正体は、帝釈天という神様だったのです。うさぎの行動に感動した帝釈天は、うさぎを月の中に蘇らせて、人々のお手本になるようにしました。こうしてうさぎは月で暮らし、帝釈天のためにお餅をつくようになりました」

 

食べ物に感謝する十五夜の起源や、困っている人のために身を捧げた月のうさぎの物語。古くから日本の人々が大切にしてきた十五夜という風習を、お子さんにも教えてあげてくださいね。