よく噛める歯ときれいな歯並びのために気をつけたい3つのポイント【食事編】

健やかな発達のためには、よく噛んで食べることが大切です。そしてそのためには歯並びがきれいな状態であることが望ましいですよね。

普段の生活の中でちょっとしたことに気をつければ、子どもがよく噛める歯ときれいな歯並びを成長と同時に得られるようサポートすることができます。この記事では、そのために心掛けたい乳幼児の食事の3つのポイントを紹介します。

その3 ストローマグばかりでなく、コップで飲む

よく噛める歯ときれいな歯並びのためには、食べる時だけでなく、飲む時にも気を付けるポイントがあります。それはコップを使うことです。

 

哺乳瓶を卒業する頃から使いはじめたストローマグをいつまでも使い続けていませんか。こぼれにくくて、持ち運びに便利なストローマグは頼りになる存在です。しかし、ストローばかりを使っているとあごの発達が遅れ歯並びに影響する場合があります。

 

柏戸先生に、ストローとコップの違いについてお聞きしました。

 

ストローとコップには、飲みこむときの舌の使い方に違いがあります。
コップで飲むときには、飲めるだけのお水をお口に含んで、舌を上の歯の内側(口蓋)に押し当てて飲み込みます。
ストローの場合は、舌の上にストローがのるため、舌を口蓋に押し当てることなく、吸う力だけで飲み込みます。子どもはコップで飲むことをとおして、大人と同じように、食べものを上手に飲みこむ(嚥下)ができるようになります。子どもが正常な嚥下を獲得するためには、舌を上手に動かせることが必要です。

 

食べものを上手に飲みこめるようになるための、別の方法も教えてくれました。

 

お口をしっかり閉じて食べることも、正常な嚥下ができるようになるために有効です。食事のマナーを守って音を立てないようにするためだけでなく、食べものを上手に飲みこむためにも、お口をしっかり閉じて食べるように子どもに伝えましょう。
このような舌を口蓋に押し当てる動作は、正しい舌の姿勢をキープするために必要です。舌の姿勢とは、口を閉じているときの舌の状態、位置のことで、巻き舌のように下の先端が上向きになっている状態です。

 

正しい舌の姿勢ができるかどうかが、歯並びに強く関係していることを、柏戸先生は診療の現場で確認してきました。歯列矯正の装置を使用して歯並びを改善しても、舌の姿勢が悪いために歯並びが再度悪くなってしまうことがとても多いそうです。

 

さらに、ストローマグのような吸いやすい太めのストローばかり使っていると、舌を口蓋に押し当てないために舌の力があごに伝わりにくく、あごが順調に発達せずに細くなることがよくあります。理想のあごの形はU字型ですが、細いあごになるとV字型になってしまいます。あごがV字型になると、スペースが狭くなるため歯が正しい位置に並ぶことが難しくなり、噛む力にも悪い影響を与えます。

 

水分補給にコップをつかってこぼしたら後片づけが面倒だなと、ついストローマグに頼りたくなりますね。あごがしっかりと発達して、きれいな歯並びを実現させるためにも、コップを使って上手に飲み込み、正しい舌の位置をキープできるようにしましょう。

 

 

 

以上、よく噛める歯ときれいな歯並びのために食事で気をつけたい3つのポイントをご紹介しました。

 

毎日の子どもの食事にちょっと工夫をすれば、子どもの歯がよく噛めるようになり、歯並びもきれいになるよう手助けすることができます。
子どもがよく噛むことができれば、楽しく食べてしっかり栄養をとって、健やかに成長することができるでしょう。
ぜひ、ご紹介したポイントに注意して、子どもがよく噛める歯ときれいな歯並びを手に入れられるようにサポートしてみてくださいね。

 

 

コメント・監修/柏戸俊彦
柏戸歯科医院 院長。
矯正歯科では、永久歯に生えかわる前である乳幼児期から、最新の歯科治療の技術や情報を活用して、食育、よくないくせの直し方や簡単にできるトレーニングなど、おうちでできる取り組みを指導しています。16年にわたる診療経験から、子どもの治療は「歯科医院に慣れること」からスタートするていねいでやさしい説明と治療がモットーで、遠方からも多くの親子が来院しています。
柏戸歯科医院 WEBサイト:http://www.kashiwado-dental.com/