<font>森永乳業×HAPIKU vol.2</font><br>母乳育児のママに知ってほしい<br>チルミルで手軽においしく栄養素をサポート!

2019年、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」が改定され、離乳食についての考え方、母乳育児におけるエネルギーや栄養素の補完の必要性について明記されました。今回は策定に携わった相模女子大学栄養科学部教授の堤ちはる先生にお話を伺いました。

適切な時期に離乳食の開始を
6ヵ月になったら足りない栄養素等を補おう

母乳育児を進めるうえで知っておきたいのが、生後6ヵ月頃になると必要なエネルギーや栄養素が母乳だけでは補いきれなくなるという点です。例えば、おなかにいる間に母親からもらった鉄(貯蔵鉄)は6ヵ月頃になるとほとんどなくなってしまい、母乳から得られる鉄では足りなくなるという事実です。

離乳食開始時期別にヘモグロビン値を測定した調査を、堤先生はされました。ヘモグロビンというのは鉄を含むたんぱく質の一種で、鉄の不足により減少します。
「離乳を6ヵ月までに開始した子どもと、7ヵ月以降に開始した子どもを比較すると、7ヵ月以降に開始した子どものヘモグロビン値が低いという結果が得られました」と堤先生。

 

沖縄県竹富町乳幼児健診結果、男児56名、女児42名.測定295±58日齢.
堤ちはる他、乳汁栄養法と血中ヘモグロビン濃度に関する縦断的研究、小児保健研究、64巻4号、602-611,2005.

相模女子大学 堤ちはる

 

 

海外の研究では、6ヵ月以上母乳栄養の子どものうち約60%が貧血であるというデータもあるそうです。
鉄欠乏による影響は、「貧血や貧血からくる発育への影響が見られたり、脳の発達や機能にも影響したりすることがあります」と堤先生。乳幼児は脳が急激に成長・発達する時期でもあるので、成長してから鉄を補充しても追いつかないことが明らかにされています。
授乳・離乳の支援ガイドでも、「母乳育児の場合、生後6ヵ月の時点で、ヘモグロビン濃度が低く、鉄欠乏を生じやすいとの報告がある。また、ビタミンD欠乏の指摘もある」と記載されており、「母乳育児を行なっている場合は特に、適切な時期に離乳を開始し、鉄やビタミンDの補給について配慮してほしい」と堤先生は言います。

 

母乳育児でも料理素材として、
生後6ヵ月から育児用ミルク、9ヵ月以降はフォローアップミルクの活用を

母乳は赤ちゃんにとって最良のものですが、成長につれ、母乳だけでは足りない栄養素が出てきます。その筆頭が、カルシウムビタミンDです。
母乳、育児用ミルク、フォローアップミルク等、牛乳の4種類で主な成分を比較してみると、鉄とカルシウム、ビタミンDが母乳には少ないことがわかります。

 

相模女子大学 堤ちはる

 

そこで、離乳食でこれらが多く含まれる食品をたくさん食べればいいのではないかと考えますが、鉄については1日の推奨量を通常の食品で満たすのは、食品の量が離乳期の子どもには多すぎたり、ビタミンAの過剰症の心配もあるので、容易ではないと堤先生は言います。「母乳育児をしているお母さんは哺乳瓶でミルクを与えることに抵抗のある方もいらっしゃいます。そういう場合は、料理の素材として、育児用ミルクやフォローアップミルクの活用がおすすめですね」と堤先生は言います。