甘いものが欲しくなる理由と身体への影響

甘味の働きとは?

甘味の働きの1つに、発散させる、というものがあります。日本では、北へ行くほど塩気の味付けが強くなり、南にいくほど味付けは甘くなります。これは甘味の発散させる力を利用したものです。南の方では気候が温暖であるため、体内の熱の発散が必要となります。発散できないと、熱が体内にこもり、のぼせや熱中症の一因ともなります。そのため、甘味の力を借りて暑い時期をしのぐ知恵として、甘味を活用してきました。東南アジアの暑い国々の食べ物や南国フルーツなどが甘いのもそのためです。

とは言え、糖分が多くなると、メリットだけではなく、デメリットもあり、老化や生活習慣病などの原因になる血液の糖化や酸化なども起こります。そのため、チャイやジンジャーティーのように、シナモンや生姜などのスパイスで甘味の負担を緩和しバランスを取っているのです。苦手なお子さんもいらっしゃるかもしれませんが、梅干しや海藻などのアルカリ食品をとるのもよいでしょう。また、砂糖は代謝の際に、体内のビタミンやミネラルを使うため、たくさんお菓子などを食べた後は、緑黄色野菜や、小魚などビタミンやミネラル(特にカルシウム)をしっかりとるようにしましょう。白砂糖のように精製度が高いものではなく、ミネラル類が含まれるてんさい糖やきび糖を使うのもおすすめです。

 

甘いものが欲しくなる理由

先ほど、甘味の働きは発散だとお伝えしましたが、心に対しては、リラックス、気を緩ませる働きがあります。それではどんな時にリラックスしたり、発散させたりしたくなるのでしょうか?

緊張や我慢、ストレスなどで心や体がぎゅっと凝り固まった時に、緩めたくなりませんか。子どももそういった時に気持ちを緩める甘いものを欲することが多いようです。また、引締める食材である肉類や、塩味が多く野菜が不足している時などにも、甘味が欲しくなることがあります。

 

oriental011_img02砂糖には習慣化しやすいという要素もあるため、小さい頃から菓子類を習慣化しないよう、補食としておやつをとれるようにするといいですね。これからの季節だと、ゆでたトウモロコシや、トマト・キュウリなどの夏野菜やスイカなどの果物が、ほてった体の熱もとってくれます。また普段、お子様がどういう時に甘いものを欲しがるのか、観察してみるのもよいでしょう。

 

甘いものの体への影響

甘いものの影響は、心や体を緩めてくれるだけであればよいのですが、多すぎると発散の力が強くなりすぎるため、ぐずりや落ち着きがない状態を作ってしまうこともあります。これは発散の力だけでなく、血糖値が急に上昇・下降することも影響を与えていると言われています。甘いものを控えたいときは、体を動かしたり、外へ出かけたりして、お菓子の代わりに運動で発散させてあげるとよいでしょう。

これからの季節、長期の乗り物移動もあるかと思いますが、乗る前にはお菓子類は控えた方が、お子様の負担にもならず、車内で過ごしやすくなります。

「あとのお楽しみに取っておこうね」「昨日は甘いお菓子だったから、今日は果物にしようね」などタイミングや量などメリハリをつけて美味しく甘いものをいただいて欲しいと思います。